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「……お前」
俺はまた立ち止まった。
いや、立ち尽くした。
……どうしていいかわからねぇ……。
どうしてこうなったかもわからねぇ。
少女はまた俯いて、未だにガクガク震えてやがる。
……頼むよ。
俺ほんとにわかんねぇんだよ、慰め方とか、宥め方とか。
怯えた相手にどんな風に接すればいいかなんざ、俺には検討もつかねぇんだよ。
「…………」
……棒立ちしてても仕方ねぇか。
「おい」
俺が声をかけると、少女はビクッと肩を震わせて、もう1度俺の方を見上げた。
まさに恐る恐る、といった表現が似合うその様子に俺はため息をつきかけた。
……だが、何となくついちゃいけねぇような気がして、深呼吸するフリをして誤魔化した。
俺は少女の目の高さに合わせてしゃがみこんだ。
……よく見ると噎せて多少噴き出したサイダーで、口の周りとか服が若干濡れている。
……あー、こりゃ1回風呂入らせた方が良いかもしれねぇな。
俺がよく飲んでるサイダーって、こう……、甘いせいか零すとそこがベタベタすんだよな。
ついでにこの服もちゃんと洗濯しといた方がいいな。折角風呂入って綺麗になったのにベタベタの服着るとか嫌だもんな。
少女は何をするわけでもなく唯々自分を見つめてくる俺に、怯えつつも困惑しているようだった。
その証拠に、俺の顔を真正面からまじまじと見て、ぱちくり瞬きを繰り返している。
悪ぃな。
考え事してたんだよ、そんな見つめんなって。
「……そういや、咳、止まったみてぇだな」
「………………！？」
そこで俺は、はっとして、俺の口から言葉が漏れていたことに気がついた。
少女は俺の今の言葉を聞いたせいか、驚いたように大きく目を見開いた。
え、え、ちょっと待て。
何ナチュラルに気ぃ使っちゃってんだよ俺！！
確かに今日この日まで飯や水をやったりした、トイレもちゃんと行かせたし風呂にもきっちり入れてやった。
でも、でも、こいつは被害者で、俺は加害者だぞ！？
逃がさねぇように足枷だってつけちまったし、何より意図してねぇとはいえこいつを怯えさせちまうようなことだってしちまった！
そんな俺が、普通通りの関係を望んでいいわけ、……いいわけ…………。
俺は完全に動揺して固まっちまっていた。
少女もポカンとして固まっちまっている。
俺たちの間に、何とも言い難い沈黙が訪れた。
続く (更新停止中)
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K2AYEのK元気(プロフ) - おもろw誘拐犯優しいw (2022年1月14日 0時) (
レス) @page6 id: 44d582ca84 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - なんか誘拐犯がいいやつになってる (2019年7月27日 12時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
アフィアル(プロフ) - ありがとうございます！そう言っていただけると、とても励みになります。恐らく更新頻度は低いままであろうとは思いますが、丁寧に話を練っていこうと思います。 (2019年4月1日 1時) (レス) id: 0e81381c1e (このIDを非表示/違反報告)
りざぶ(プロフ) - コメント失礼致します。とても面白い題材と、読みやすい文章、登場人物のキャラクターなど、様々ななところに惹かれて衝動的にコメントを書かせていただいています。語彙力が乏しく上手く伝えられないのですが、素敵な作品をありがとうございます。 (2019年3月31日 23時) (レス) id: 089e219261 (このIDを非表示/違反報告)
アフィアル(プロフ) - るゆれさん» ありがとうございます！少女とサイダーについては、これからのお話で語ろうと思いますので、どうかごゆるりと更新をお待ちくださいませ。 (2019年3月27日 18時) (レス) id: 0e81381c1e (このIDを非表示/違反報告)
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