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「え……?」


お、おい。ちょっと待てよ。
何でこいつこんなに噎せてんだ?
しかもコップがカラに……


ん?………………カラ…………?

……まさか、


「お前……一気に飲んじまったのか?」


俺がそう聞けば、少女は噎せ返りながらも俺の方を見上げ、おずおずと頷いた。


……マジかよ。

サイダー一気飲みなんてお前はお笑い芸人かよ。
幾ら時間が経って炭酸の勢いが若干弱まっていたからって、一気飲みすりゃそら喉にくるわ。


俺は若干呆れていた。

だが咳込んでるこいつをほっぽっとくのもなんだしな……。

そう思った俺は、はぁ、と大きめのため息を吐きながら少女の方へと近づいた。


「………………!」


突如少女は、後ずさるように上半身を後ろに倒した。
そして、枷のついたその足をも、ろくに動かせないくせにがしゃがしゃ音を立てながら必死に引きずろうとしていた。


「お、おい。なんでそんな急に逃げ腰なんだよ」


俺は1度立ち止まって少女に問いかけた。
しかし、今まで1回も声を聞いたことのないこの少女が喋り出して答えるはずもなかった。


……なんでなんだ?

こいつ、今まで逃げ出そうとなんてしたことなかったじゃねぇか。

なんでいきなり……。


俺はかなり動揺しつつも、もう1度少女に近づこうとした。
その間にも少女は、必死に足枷を引きずろうとしている。

……でも、動かねぇモンはどう頑張ろうが動かねぇモンで、俺と少女との距離は、ますます縮まる一方だった。


もう俺が少女に触れられるくらい近づいた時、少女はもういよいよか、とでも言うように顔を上げて俺を見た。


目が合った瞬間、俺は動揺した。

さっきなんかとは比べモンになんねぇくらい、動揺した。

だって、今まで何をしようと無表情だったこいつが、サイダーをやった時でさえ無反応だったこいつが、


異常な程に、怯えきった表情をしていたんだから。

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設定タグ:ストックホルム症候群 , シリアス , 監禁   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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K2AYEのK元気(プロフ) - おもろw誘拐犯優しいw (2022年1月14日 0時) (レス) @page6 id: 44d582ca84 (このIDを非表示/違反報告)
lkwisterven - なんか誘拐犯がいいやつになってる (2019年7月27日 12時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
アフィアル(プロフ) - ありがとうございます!そう言っていただけると、とても励みになります。恐らく更新頻度は低いままであろうとは思いますが、丁寧に話を練っていこうと思います。 (2019年4月1日 1時) (レス) id: 0e81381c1e (このIDを非表示/違反報告)
りざぶ(プロフ) - コメント失礼致します。とても面白い題材と、読みやすい文章、登場人物のキャラクターなど、様々ななところに惹かれて衝動的にコメントを書かせていただいています。語彙力が乏しく上手く伝えられないのですが、素敵な作品をありがとうございます。 (2019年3月31日 23時) (レス) id: 089e219261 (このIDを非表示/違反報告)
アフィアル(プロフ) - るゆれさん» ありがとうございます!少女とサイダーについては、これからのお話で語ろうと思いますので、どうかごゆるりと更新をお待ちくださいませ。 (2019年3月27日 18時) (レス) id: 0e81381c1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アフィアル | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年8月25日 19時

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