【ブルーロック】悪女だった私は今＿＿。 (ページ13)

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第11話ページ13

声が聞こえた方を向くと、そこには何がとは言わぬがバッキュンボンの女性がいた。
私が、そうです、と答えると彼女は安心したかのように、良かった、と微笑んだ。
その笑顔はとても可愛かった。

「えっと、まず私は帝襟アンリ。日本フットボール連合の社員で、青い監獄(ブルーロック)プロジェクトの責任者なんだ。」
帝襟さんは私宛に自己紹介をしてくれる。
流れ的に私もするべきだろうか。
「水無瀬Aです。今日からよろしくお願いしますね。」
「こちらこそ。早速だけど施設に移動しようか。あの車に乗ってくれる？」
私は首を縦に振り、帝襟さんが指した車に乗る。

車の中では帝襟さんがプロジェクトについて少し話をしてくれた。どんなプロジェクトなのか、どんな人が集まるのか。

そして、私以外のもう1人のトレーナーのこと。

車を走らせて数十分が経った頃、車は止まった。
無事に施設に着いたらしい。
私と帝襟さんは順番に降りる。
車に乗っている最中、だいぶ山奥に行くなと感じていたが改めて周りを見ると大自然の中だった。
そしてその大自然の中にそびえ立つとても大きな建物。
それが今日から私が働く場所、青い監獄(ブルーロック)だ。

「水無瀬さん、大丈夫？」
「あ、はい。想像してたより大きくてびっくりしちゃって。」
「そっか、最初は大きいから驚いちゃうよね。」
帝襟さんは控えめに笑いながら、入り口を開けて中に入ってく。
私もそれに続いて中に入る。
建物の中は、コンクリートの壁と床でまるで本当の監獄のようだった。

しばらく歩くと帝襟さんがある扉の前で止まる。そして、その扉に向かって
「水無瀬さん、到着しました。」
と言って中に入る。
これまた私も続く。

するとその中には椅子の上であぐらをかきながらカップ焼きそばを食べている男の人がいて、
「やぁやぁ、アンリちゃんお疲れ様〜。」
と言ったんだ。
その言葉に続くように後ろから
「ちょっと叔父さん！！ちゃんとして！お母さんからもいつも言われてるでしょ！」
と可愛い声がする。

声がする方向に顔を向けると、そこには二重でぱっちりとした目、手入れの行き届いた髪や肌、そして何より笑顔が似合いそうな女の子がいたんだ。
そこで私は感じてしまった。

　 “今回も私は悪女で彼女がヒロインなんだ。”

と。