邪魔者 ページ12
あれから1週間。
私と隊士達の溝は埋まること無く平行線のまま日常が過ぎていく。
私達新人隊士はまだ戦闘能力があまり分からないという事で1ヶ月の間は振り分けられた隊の雑用だ。
私はといえばどの隊も批判が殺到したらしく、一番ましな一番隊と特別に副長の補佐に回っている。
「おい、まだ辞めねーのか」
「目障りなんだよ」
『ならあなた方が辞めさせるくらいに私をボコボコにしてくださいよ』
たまにこうやって絡まれる事もあるがどうせ私には勝てっこない奴らだ。
少し強く言えばピタリと黙る。
書類を持って副長室へと向かい声を掛ける。
『副長、頼まれていた書類です』
「入れ」
失礼します、と声を掛けて入れば大量の者類の山を抱えた副長の姿。
書類を差し出すと確認が始まる。
驚く事に、あれからあの3人からの詮索は特に無く変わった事も無かった。
強いていえば近藤局長の態度が親しげになったくらいで、残りの2人はまだ私に対して不信感があるようだった。
ずっとその不信感を抱いていればいい。
そうすれば私も少しは罪悪感を残さずに目的を果たせる。
そう思いつつ待っていればおい、と声を掛けられる。
『何でしょう?』
「ここ、1枚足りねーぞ」
言われて確認すれば確かに1枚足りない。何度も確認したのにどうしたかなと考えたが、そんな事を考えても仕方ないのですぐに作り直しますと伝え部屋を出る。
そしてしばらく進んだ部屋の襖の向こうから小さい声で私を貶す声。
「神代って女の癖にほんとに感じ悪いだよな」
「ニヤニヤ笑いやがって気味悪いんだっつーんだよ」
「少し困ればいいよな」
ああ、なるほどと私は一人納得する。
恐らく1枚足りないのは私が目を離した隙に外の奴らが何かしたのだろう。
なんて女々しい奴らだろうか。私の邪魔をした挙句そんな事をいい歳してやっているこいつらに死ぬほど反吐が出る。
そんな事を思っていると突然襖が開き、バツの悪そうな声が聞こえる。
そんな事はお構い無しに私は男達へと話し掛ける。
『次私の邪魔をしてみて下さい。その時はあなた方を、』
殺します。
そう伝えれば情けない声を出して固まる男達。
私は変わらぬ顔でその場を後にした。
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さやままま。(プロフ) - 黒猫♪♪さん» うわあああ遅れましたすみません!!頑張ります!ありがとうございます!!(*´ω`*) (2018年2月10日 13時) (レス) id: 79ed4b307e (このIDを非表示/違反報告)
黒猫♪♪(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしてます! (2018年1月14日 16時) (レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
さやままま。(プロフ) - 高杉紗夜香さん» うわー!ありがとうございます!!めっちゃ励みになります頑張ります!!(*´ω`*) (2018年1月13日 12時) (レス) id: 79ed4b307e (このIDを非表示/違反報告)
高杉紗夜香(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください!!応援しています! (2018年1月6日 21時) (レス) id: 47ea433c10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さやままま。 | 作成日時:2016年10月22日 8時