【銀魂】笑う道化師は泣いていた【土方十四郎】

人殺しの目 ページ11

驚いて固まっていれば、入口の方から喧嘩に参加しなかった救護班や隊長格の奴らがドタドタと入ってくる。
その中には観察方の山崎達も居て困ったように近付いてくる。



｢ちょっと副長！こんなになるまでやらせるなんて仕事に響いたらどうするんですか！｣

｢自分達でやった事だ。さっさと手当して動けるよう言っとけ｣

｢まぁまぁ落ち着け山崎。止めなかった俺にも責任はあるからな。それよりもAちゃんに聞きたいことが、ってあれ？｣

｢あの女ならとっくに戻りましたよ｣



ほら、と総悟が指さした方向に視線をやれば既に遠くにいる白髪の女の後ろ姿。

上手く逃げられたような気がしてちっと舌打ちをする。



｢近藤さん｣

｢どうした総悟？｣

｢Aってあんな奴でしたかィ？俺ァもっと気弱なイメージしか記憶に残ってませんぜ｣

｢それに外見変わりすぎだろ｣



白い髪に真っ赤な目。

俺達が会った頃とはまるで真逆の容姿になってやがる。



｢ほんとになぁ。あんな風に笑う子じゃなかったのにな…｣



近藤さんは少し悲しそうに呟く。



｢それに、あの目｣



あの目は、

戦っていた時のアイツの目は、





人を殺したことがある奴しかしねェ目だ。


俺がそう呟けば、2人はもう消えた女の方向をじっと見つめていた。

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