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「本当の事を知ったら弟さんは悲しむんじゃないか?」
『どうだろう、寧ろ嘲笑うかもよ?自分なんかの為に死んだ哀れな人間、裏切り者だって。』
「…は?」
『私は死ぬ。でも鬼になんて殺されてやらない。』
強く意思を灯した瞳がゆらりと怪しげに揺らめく。
『この命はあの子の踏み台になり、弟に殺されてやっと本来の私としての役目が終わる。』
「まさかお前…鬼殺隊に入りたい本当の理由って。」
ゴクリと茂利は喉を鳴らし、震える声を絞り出す。
「鬼になる為っ、なのか?」
『・・・ーだったら何?』
まだ暖かい季節のはずなのにその場の空気は冷たく、茂利は声すら上げる事が出来なかった。
『鬼についての勉強はしてある、勿論…鬼になる為に鬼舞辻無惨の血が必要な事も知ってる。
でも私の到着地点はあくまで弟による死であって、鬼舞辻無惨は通過点でしか過ぎない。』
「ひぃっ!!」
ついにあまりの恐怖に茂利は逃げ出してしまう。
その背後をつまらなそうにAは見つめるも、追いかけようとは思わなかった。
自ら死ぬ道を選んだ者を助ける時間なんてない。
ただ一つ思うのであれば、もう少し弟の自慢話を聞いて欲しかったくらいか。
『はぁ…もうここにいてもつまらないし早く到着して帰ろうかな。』
重たい腰を上げてAは一足早く到着地点へと足を進めたのだった。
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あまね(プロフ) - 続き気になる! (9月29日 0時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーたん(プロフ) - meさん» いつも読んでくださりありがとうございますっ!!少しずつですが完結まで頑張っていこうと思います! (2020年10月22日 15時) (レス) id: 3f898f19d6 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - 右の星を押したら既に投票済みでした..いつも楽しく読ませてもらってます!続きもがんばってください! (2020年10月22日 12時) (レス) id: 47178bfabc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴーたん | 作成日時:2020年5月13日 14時