シェアハウス物語 part3

◆◎兄弟喧嘩　翔side ページ5

朝から喧嘩を始めたニノと雅紀。

　


雅紀も悪気は無かったんだろうけど、ニノがずっと待ってたの知ってたし。


　
ニノも悪くないけど、少し言い過ぎ。

　




１発怒鳴りつけて部屋に戻ると、一気にリビングは静かになった。


　




こっそりドアを開けて様子を伺うと、智くんが２人を何やら宥めてて。


　




握手させてうまく仲直りさせてるし、さすが智くん。


　




時間が過ぎれば笑い話になるなぁなんて思って新聞を読んでいると、恐る恐るドアが開かれた。


　




和「…翔ちゃん…」


　
　

小さく呼ばれて振り返ると、肩を落とした２人と、優しく見守る智くんがいた。


　




そんな怒ってないよって言ってあげたかったんだけど、何か２人して凄い反省してるみたいだからこのまま怒ったフリ。


　
智「ほら、黙ってたらわかんないよ？」

　

　
智くんが送り出す様に２人の背中を押した。

　




雅「ごめんなさい…」

　
　
翔「何が？それだけじゃわかんないでしょ？」

　

和「仲悪くしちゃって、ごめんなさい…」

　

雅「ごめんなさい…」


　


よっぽど俺が恐いのかチラチラと俺を見る２人に思わず笑いそうになるけど、我慢我慢。


　




翔「ちゃんと仲直りしたのか？」

　

和「はい…」

　

翔「雅紀も連絡すればって反省してんだよね？」

　

雅「してます…」

　

翔「ニノも。言いすぎね？」

　

和「ごめんなさい…」


　



もう２人して泣きそうになっちゃって…

　

俺も耐えられなくてニッコリ笑った。


　


翔「よし。じゃあよろしい。」

　

　
ポンッと頭を撫でてやると、２人ともホッとしたように笑う。


　



翔「早くゲームやっておいで？」

　

雅和「うん！」


　

　
ドタバタと部屋を出て行って、すぐにリビングから楽しそうな笑い声が聞こえた。

　

翔「智くん、ありがとね。」

　
智「俺？俺は何もしてないよ。」

　
翔「そんなに俺恐いかなぁー。」

　
智「ビビってたねぇ２人とも。その場から動かないんだもん。」

　
翔「まじかぁ。」


智「おもちゃ買ってって駄々こねる子供みたいにその場で踏ん張っちゃってさ。」

　



その姿が簡単に目に浮かぶ。

　

でもちゃんと仲直りも出来たし、兄弟喧嘩ってこんな感じだよなぁ。

　
あっという間に喧嘩してあっという間に仲直りしてさ。

　
　

なんて、リビングに響く２人の笑い声を聞きながら思った。

　

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