社畜のドキドキ異世界召喚メモリー【twst】 (ページ3)

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社畜が2人ページ3

　
　
　
　
　
　
　
人の声、否、男の子の声が聞こえる。

優しそうな、それでいて逞しい声。きっとモテるんだろうなぁ、とか本能で感じ取った。

体を揺らされた。酔う酔う。なんだよ、もう。寝させてくれ。

あれ、寝る？ちょっと待って。私、会社で書類さばいてたよね？？

待って、マズい、起きなければ！！！！

『人の夢どころか書類すら終わらねぇよ、バッキャロー！！！』

「うわぁ！？！？なん……え？？」

ガバッと体を起こした。隣でドタッと誰かが倒れる音が聞こえた。え、誰？

そう思い、乱れた髪の毛を整えながら隣に目をやった。

丁寧に切りそろえられた黒髪。日本では案外見ない黒目。そしてクソダサい靴下を履いた青年が驚いた顔をして座り込んでいた。

明らかに普通の子、もしくは私を心配してくれている人であるが、寝起きの私は恐ろしいほどに脳が働いていない。“会社への不法侵入者“、それが第1印象であったのはある種仕方ないと思う。

私は声をあげて叫んだ。それと同時に、青年は誰かの名前を叫んだ。

『警備員さーーーん！！！！』

「グリムーーーーー！！！！」

遠くから「も～！！どうしたんだゾ！！！」と呆れたような声が聞こえた。え、警備員さんにしては態度悪いな()

そう思いつつ、立ち上がり青年と距離をとった。え、待って、ここどこ？？？

辺りを見回すと、記憶にもない部屋で、ベッド、鏡、1人ソファ…etc.全て自分の知っている物ではない。

1人で困惑していると扉が大きな音をあげて開いた。

「大きい声出してなんな…………ふなぁ～！！！！起きたのかソイツー！！！！」

『イン◯タ映えーーー！？！？！？』

むちむちとちぎりパンみたいな足をして、耳には燃えさかる青い炎、くりくりっとした目、そしてもふもふそうな体をした生命体が入ってきた。オイオイ、これは映えを狙ってんな！？！？

「えっイン◯タ！？！？」

青年はイン◯タに反応した。映えるとは思ってなくて、盲点だったのかな。私ならすぐにツーショット撮る()

青年は自分が次、すべき行動を理解したように、生命体へ向かって話す。

「グリム！！1回怖がらせちゃうかもしれないからそこでウェイト！！」

『グルってまじ？？』

生命体は青年の指示で扉の前にとどまり、私は立ち尽くしていた。青年は私に確かめるような声で言葉をなげかける。

「日本出身の方ですか……？」

『…………………え？？』