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先程の「敵ながら天晴れ」と云う言葉にどんな意味が含まれていたか。
そんな事が敦に到底理解できる筈も無いのだが、少なくとも努力家なのが彼である。
机に向かい乍ら其れを悶々と考える様は、周囲の人間には奇妙とも取れた。
「…敦。先程から何を机に喧嘩を売っているのだ。書類は怯まんぞ。」
「否そんな…あっ」
「はあ…」
「ずっずみまぜん!!」と、国木田の呆れた視線に慌てて書類と対峙する敦。
そうして居る間にも奥の机からは、書類の山をはらはらと捲る軽い音と共に、
時折くすりと与謝野の控え目な笑みが零れる。
「今日の与謝野女医、ご機嫌宜しいンですね…」
常々“治療”を施されている男、谷崎潤一郎にとっては、永遠に此れでも善いのに…
と云う、憐れな願いが宙を舞う。
将又、国木田に至っては自らの人生の糧となる理想の隙間に、
「与謝野女医 気好し」 等と書き留めていた。
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しゃる(プロフ) - いちごふらぺちーのさん» 本当ですか!マイナーなのでそう言って頂けて嬉しいです(*^^*)与芥承知しました(即答)w (2018年7月17日 22時) (レス) id: c8a40548e4 (このIDを非表示/違反報告)
いちごふらぺちーの(プロフ) - こんなcpがあったなんて!さいっこうです!いつか番外編などで与芥もお願いします! (2018年7月16日 23時) (レス) id: 35dddd0e69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃる | 作成日時:2018年7月16日 14時