【d!!】天殺し(z。m) (ページ1)

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｢なぁなぁA｣

『……』

｢なぁなんで無視するん｣

｢まーたやってるよ…ほんとに仲良いよね｣

｢違うだろ。ただゾムに絡まれてるだけだって…あーあAサンかわいそー｣

｢心にも思ってないこと言うなよ！…Aサンも実は嬉しいんじゃないの？｣

｢あー確かにいつも一人でいるもんね！寂しいんだよーほらお前一緒にいてあげろよ｣

｢なんで俺なんだよ！やだよあんな暗いやつ｣

聞こえてるんだけどな
いや、わざと聞こえるように言ってるのか

｢なぁ無視しんといて？｣

まぁゾムに聞こえてないならいいか
このままじゃ可哀想だな

『…ちょっと離れて付いてきて』

｢えー！なんでやねん！ええやん別にー！｣

｢ちょ、声大きいよ！｣

｢ならはよ外行こ、な？｣

手を掴まれて教室の外へ連れ出される
やだ、見られてる

できるだけ人の視線を気にしないようにしながらゾムに引きづられないようにはしる

昇降口を出たところで思いっきり手を振り払った

『…学校ではやめてって言ったじゃん』

いつからだっただろう
人目を気にして彼と話せなくなったのは

｢ごめん、だって今日も構ってくれへんかったから｣

ゾムはこんな無邪気な性格のせいか空気が読めない
それゆえ彼のクラスでは私と同じように孤立していた
この学校は中高一貫のため、よく私のクラスに遊びに来るのだ
だけど同じクラスの人にはよく思われてない
それにも気が付かないゾムは本当に何も知らないんだなって思う

人生、無知な子供の方が楽しめるよね

ほんと、羨ましい

『家で沢山遊んであげるから、それまで我慢して』

｢まじ！？わかったわ！｣

だから声が大きいんだってば！