in the Chocolate 《吉野北人》 ページ4
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北人「.......Aちゃん、」
A「あ、ほ、ほくちゃん」
壱馬と付き合ってから初めて二人きりになる北ちゃん。
今度のイベント用にまた髪を赤くして、
ちょっと短くなったサイドの部分を耳にかけている。
北人「これ、あげる」
A「え、.......わたしに?」
北人「そ。逆バレンタイン、ってやつ?既製品でごめんね。」
差し出されたのは、有名ケーキ店の紙バック。
突然のことに戸惑いながらも、
保冷剤で冷えたバックの表面に手を添える
A「ありがとう.....。」
北ちゃんからそれを受け取ると、流れる沈黙。
なにか話さないと、と思うほどになにも出てこなくて。
この前の件を謝るのも違うし、まず触れていいのかもわからない。
しばらく静かな時が続いた後、
北ちゃんが沈黙を破った。
北人「ザッハ トルテ、知ってる?」
身構えた私には予想外の言葉で、
とりあえず うん と頷いた
北ちゃんは窓の外を見ながら続けた。
北人「それの中身、なんだけどね。
ザッハトルテって、スポンジの上に甘いアンズジャムを塗り重ねてね、…何度も、何度も。
そのあと、上からチョコで封をして固めて作るんだって。」
A「……そう、なんだ」
北人「甘ったるいのが続いてたのに、
急に苦いもので塞がれてさ、
息が出来なくなるみたい。」
そう話す横顔に、喉がつまりそうになる。
夕焼けに照らされた赤髪も、
きらきらしたつぶらな瞳も、
綺麗だけど闇があって、儚い。
北人「.............ふふ、見とれた?」
A「あ、えっと.......」
北人「素直すぎ (笑)
.......あ、そーだ。
Aちゃんもさ、
今の俺みたいに息が出来なくなったら
俺が 苦いものの上から、甘い思い出を塗り替えて
たくさん重ねてあげるから 」
だから、今だけ_____
気づけば北ちゃんの顔が目の前にあって、
そしてすぐに離れて、
背中しか見えなくなった。
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ザッハトルテ × 北人
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ゆらら(プロフ) - しゃんさん» Googleで調べたら見れました(*´-`)手間かけましたほんとすみませんありがとうございます^_^( ; ; ) (2019年10月26日 15時) (レス) id: 2a1bcd5b7e (このIDを非表示/違反報告)
しゃん(プロフ) - もえ(o´艸`)さん» そうなんですか!?もしかしたら年齢的な問題かもしれないですね(--;) せっかく探していただいたのにすみません! (2019年10月26日 15時) (レス) id: e3c41d6683 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(o´艸`)(プロフ) - コピーしても出てこないときはどうすればいいですか? (2019年10月26日 14時) (レス) id: 7742aa0a22 (このIDを非表示/違反報告)
しゃん(プロフ) - もえ(o´艸`)さん» https://uranai.nosv.org/u.php/novel/syan1syan4/?fcnew=1 1度これをコピーしてみてください!! (2019年10月26日 14時) (レス) id: e3c41d6683 (このIDを非表示/違反報告)
しゃん(プロフ) - ゆららさん» https://uranai.nosv.org/u.php/novel/syan1syan4/?fcnew=1 どうですかね!? (2019年10月26日 14時) (レス) id: e3c41d6683 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃん | 作成日時:2019年2月15日 7時