「いつかの憧憬 2-1」 ページ14
「ほう…それはそれはお人よしなんですねAさん」
「うーん…そういう訳じゃないとは思いますけど」
不思議とサイズが合う給仕服を身にまとい、教育係のジェイド先輩の所へ駆け寄る。
だが、先輩はあまり私に色々教える気はないらしく、メニューを手渡してたった一言。
「お勧めを聞かれたら取り敢えずこの赤枠で囲っている料理を言って下さい」
とだけ告げ、後は背中をぐいぐいと押してくるだけだった。
文句を言うことも出来ずに、連れていかれたところはなんだか大きい扉がついている部屋。
その中でアズール先輩がバカにするような拍手をこちらに送って、ソファに座っていた。
「良くお似合いじゃありませんか。集客が見込めそうです」
では、と先輩が手を挙げると、引き留める間も無くジェイド先輩が立ち去って行く。。
「ちょ、まって」
そして、手を伸ばすよりも先に、中に追いやられバタンと無慈悲な扉は閉まってしまった。
「(最悪だ…)」
チラリと様子を伺うと、隣に来いとソファを叩いていたので、向かいの席に腰を下ろした。
「…つれないですね」
対してがっかりもしてない様子で、相変わらずのニコッと作り笑いを浮かべている。
「(あの人だってこんな胡散臭い笑み出来たのかな…)」
そうやって想いを馳せていると、コホンと咳を整えて先輩は喋り始めた。
「まぁ、そう固くならずに楽にしてください。」
「貴女には3日間限定女性給仕として、モストロ・ラウンジで働いてもらいます」
「客寄せパンダの様なものですね。貴女って意外に評判良いんですよ」
褒めているのか貶しているのかは分からないが、先ほどからずっと馬鹿にしていることは分かる。
「人魚姫の様な憂いさと儚さを持っていらしているとね…フフ」
「僕に対しては…えらくじゃじゃ馬の様ですが」
刺すような鋭い目を向けられ、反射的に顔を背けてしまうが、
それがより気に食わないのか、はぁと聞かせるようなため息が聞こえてくる。
「どうしてそんなに僕のことを嫌うのでしょうか」
「そ、ういうわけじゃ」
と言い訳をしても、私の振る舞いは“嫌っている”そのモノだろう。
それは自分でもわかっていたが、
「(…好きな人に似ているから関わり合いたくない)」
そんなバカげたことを言えるはずもない。よりにもよってこんな人に。
拳を握り締めて、ただただ俯くことしか出来ない私に対して、また大きいため息が飛ばされてくる。
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ていていて(プロフ) - 飛鳥さん» ２にての話数が足りなくなってしまったので、3の方でトレイ先輩夢載せさせて頂きます…！お手数ですが3の方にお飛びください…！（再度のリク有難うございます…！） (2020年4月24日 0時) (
レス) id: 07fa99b89e (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥(プロフ) - またトレイ先輩のリクエストで大変恐縮なんですが、主人公が怒られちゃうお話もし可能でしたらお願いしたいです…。 (2020年4月17日 2時) (レス) id: e991a9fa95 (このIDを非表示/違反報告)
タコのトランプ(プロフ) - とっても素敵なお話ばかりで切なくなったり背筋が冷えたり楽しいです！よければジャミル先輩のを書いてください！お願いします。 (2020年4月16日 18時) (レス) id: 27b3bc46a1 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ - 本当に最高のお話でした..！！読んでいると、切ない気持ちになりました！素敵なお話をありがとうございました(≧∀≦) (2020年4月12日 9時) (レス) id: 2ef73a5082 (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ - あと、リクエストお願いしてもいいでしょうか..？可能であれば、レオナさんとのお話をお願いしますm(_ _)m (2020年4月11日 18時) (レス) id: 80b818e3ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ていていて | 作成日時：2020年4月3日 0時
