検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:9,324 hit

第10話 ページ11

さっさとその場から立ち去ろうとするAを引き留める。

「ねぇ、Aちゃん。少し待ってて。」

「……………?」

フェリドは素早く目の前から居なくなると近くの廃屋(はいおく)から悲鳴が聞こえてきた。
その悲鳴によって彼女はフェリドが自分に人間の血を飲ませようと企んでいるのだと気付き、顔を少ししかめる。

「お待たせ〜!」

サラリとした銀髪を月光が照らし、まるで天使のような悪魔な吸血鬼がにこやかに戻って来た。

「きっとこの子凄く美味しいよ。…そろそろ渇きを実感してきたんじゃない?」

フェリドの右手には9歳くらいの男の子が大粒の涙を流しながら、首を軽く締め付ける手を離そうと必死に()がいている。

フェリドの鋭敏(えいびん)な爪が男の子の首から細く血を流させる。

今宵は少し風が強い。
血の(かお)りがほんのりと鼻に届いた。

「苦しそうだし、泣いてるよ。離してあげなよ。」

その言葉にフェリドはふふっと笑う。

「我慢はしなくても良いんだよ?
あっ! 足りないのか! じゃあ、もっと出すね……?」

男の子はもがいてる内にフェリドと眼があったのか、今は蛇に睨まれた蛙のように大人しくしている。
1本……もう1本と4本の細い血が集まりふた回り程太い血となって流れる。
さっきよりもハッキリと血の薫りが強くなる。

それでも尚彼女は冷たい眼をして、

「離してあげて。」

と言う。

第11話→←第9話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
38人がお気に入り
設定タグ:終わりのセラフ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Roy(プロフ) - クローバーハートさん» 更新遅くて申し訳ありません!今までより少〜〜〜しだけペースをあげて更新していくつもりなので、気長にお待ち下さい!コメントありがとうございます(・ω・)ノ (2016年5月19日 18時) (レス) id: cff10b5516 (このIDを非表示/違反報告)
クローバーハート - やっと続きが見れるんですね〜!どんどん続きを続いて下さいね!小説読みたいから続きが気になってしょうがないんです〜!(ToT) (2016年5月11日 22時) (携帯から) (レス) id: d08ee1eb1c (このIDを非表示/違反報告)
Roy(プロフ) - ROM民さん» あら〜、ご指摘ありがとうございます(=゚ω゚)ノ今外しました! (2015年11月28日 19時) (レス) id: cff10b5516 (このIDを非表示/違反報告)
ROM民(プロフ) - はじめまして。「オリジナルフラグ」が外れていませんよ。二次創作ですので、棲み分けにご協力お願いいたします。 (2015年11月28日 19時) (レス) id: 67f8438bca (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Roy | 作成日時:2015年11月22日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。