90%対10%の君 (ページ41)

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残り6日、長いようで短い10日はあっという間に過ぎていくと実感した
荘園にいれる時間も1週間を切り、最後に思い出も何も無く
私は自分のことで手一杯である、というのに
何だこの状況は?

今私の目の前にはムスッとして目も合わさてくれないマーサと
普段とはえらい違いで、おどおどとしている写真家が居る
私たちが向かい合う形で座っているソファーの間には
テーブルがあり、その上には私が好きな紅茶、ティーカップから
香水の匂いがしたことから、ウィラが入れてくれたのだろうと考えれる
マーサが怒っているのは分かるが写真家はどーしたよ
反省させるようなことされたっけ、いやされているけども
沈黙を破ったのはマーサだった

｢……Aもジョゼフも言うことがあるんじゃないの?｣

｢いやないけど……｣

スパリと音が出そうな速度で私は返す
え、だってないじゃん、腹けったから謝れとでも……?
いや私が悪いかもしれないけれども
ていうかまぁ普段の写真家を知らないマーサからしたら
完全に私が悪者なわけだけれども
なーんでここを出る時に限ってこんな問題起きるかねぇ

｢……悪かった、小学生なような真似をして｣

そう写真家がボソリといった
マーサが先ほどよりきつく睨んでくる
謝れってことね……んー……やだなぁ
写真家の性格上謝ったらドッキリでした的な感じで
馬鹿にしてきそうでさぁ……いい思いしたことないんだよなー

そう思いつつ、めんどくさかったので

｢私も悪かったよ、治ったならいいけど、忙しいから、じゃあね｣

まるで反省してないような謝り方だが
ちゃんと謝ったのでよしということにしておく
私がそういった後写真家が悔しそうな顔をしていたのを確認できたから
私の予想通り馬鹿にしたかったのだろう
あー忙しい忙しい、そろそろ荘園の主に貰うものは何にしたか
言わないとな……

何事も無かったかのように部屋へ戻る私、
その後ろにエマがいることには気づかなかった