90%対10%の君 (ページ29)

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｢A、調子はどうかしら｣

朝、最初に部屋へ尋ねてきたのはマーサだった

｢おかげですっかり良くなったわ、ありがとう｣

｢そう、よかったエミリーが部屋に来るようにと言っていたわよ｣

｢了解｣

そんな会話をして朝食を終えた、私はその後すぐ
エミリーの部屋へと向かった、健康調査かなにかかな

コンコンと2回ノックしてエミリーに部屋に入る、
既に椅子は準備されていてそこに紅茶が用意されていた
だが、エミリーがいる様子はない

｢エミリー?居ないの?｣

そう呟いても返事はない、一応部屋に入り
紅茶が入ったティーカップに目をやると、小さなメモが置かれていた
そこには

ちょっとだけ部屋を開けるわ、迷惑かけるけれど紅茶でも飲んで
待っていてちょうだい Aへ

とだけ書いてあった、ご丁寧に名前まで添えて
ティーカップがまだ暖かいから、部屋を出たのはちょっと前のはず
まぁエミリーならきっとすぐ帰ってくるだろう
私は紅茶を飲みながらエミリーを待った

約１０分後、エミリーが部屋に戻ってきた、エミリーの後ろには
占い師のイライがいた、私は何かしただろうか
なんだか睨まれている気がした

｢A待たせたわね、イライがダブルハンターモードのことで
話したいことがあるらしくて、ついでに健康調査をしようと思って｣

｢そう、先に話でいい?｣

｢構わないわよ｣

イライが私の前の椅子に座ってジッとこっちをみてきた
彼とは話したことがないし、興味があることといえば彼の相棒の梟くらい
私から彼に話しかける気はなかったし、彼が私に話しかけてくる様子も
なかったから関わりはないと考えてたけど……

｢脚本家、Aに質問がいくつかあってきた｣

そう低い声で彼はいきなり呟いた
想像していた声より少し低い声、まぁ驚くこともなかった
エミリーは道具を取ってくると部屋を出た
あんま好ましくない微妙な空気の中占い師からの質問は始まった

｢昨日、空軍に指示を出したのはAか｣

｢そうだね、マーサに納棺師への伝言を頼んだりしたよ｣

ふむ、と少し考えて次の質問が来た

｢昨日、気絶したというのもAか｣

｢そのとおり｣

何がしたいのかわからないけどとりあえず答えてればいいということが
分かるので、必要な返事のみした、この質問の意味はなんだろう
私にはまだ彼の考えはわからない