44人目のお客様 ページ48
｢先輩、失礼します｣
部屋のドアを沈んだ気持ちで開けた
先輩は私を笑って出迎えた、来るのはわかっていた、
そう表すように先輩はソファーに座り紅茶を入れた
ティーカップを自分の前とその向かいに置いた
｢はい、座って?A｣
もう主から聞いたのだろう、嬉しいからか
半音高い声で笑って彼女はソファーを指さした
｢失礼します、先輩はもう話を聞いていますよね｣
そう私が問えば満足そうにええ、という先輩
そして彼女は続けた
｢復讐を果たせて何より、残り少ない時間を自由に過ごせるわ｣
そう言った
私はそれから謝罪を続けた
そしてそのあとは先輩も少し申し訳なさそうだった
彼女は言った、感情整理がつかず貴方にあたってしまったと
そんなこともはやどうでもいからと最後は
化粧師同士仲良く話した、もう二人とも吹っ切れていた
お互いあったのは感謝の気持ちだけで、話し合った
そして私は先輩に名前を聞いた
先輩は言った、私もわからないの、と
事故で飛んで下半身が潰れたと同時に頭を強打してしまい
記憶が飛んだんだそう、なんとか化粧師の仕事は体が覚えていたため
活動できるが名前が無いと少し困りながら言っていた
荘園の皆も名前は覚えていないそうだ、全くひどいわよねと
先輩は笑う、私はどうせ荘園の主が彼女の名前に関する記憶を
消したからだろうなんて思っていた、そして先輩はこう言った
｢ねぇ、A、あなたの名前を私はここで使ってもいいかしら｣
真っ直ぐに私を見つめ彼女は言った
私は明るく言った、吹っ切れた私はもうどうでも良くなっていて
先輩の名前にさせてもらうことを誇りに思った
私はどうせ忘れてしまうから、皆には忘れないで欲しかった
先輩と私、両方が皆の記憶に残る
砂糖より甘いハッピーエンドだと私は思った
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ｻｸ子(プロフ) - はいねこさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年1月30日 1時) (
レス) id: 70d2c1f1b5 (このIDを非表示/違反報告)
はいねこ(プロフ) - 初めまして！読ませていただきました！更新楽しみにしています、頑張ってください！ (2019年1月30日 1時) (レス) id: 0538ab7912 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｻｸ子 | 作成日時：2019年1月29日 20時
