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その後、任務に向かうのかというぐらいの勢いで走りながら向かった先は、たくさんの人で賑わう温泉地。

「わぁぁ…!」

そこら中に漂う温泉の匂いをAは胸いっぱいに吸い込んで、感嘆の声をもらす。

「素敵なところですね!」
「ああ」

まず先に宿を探そう、ということで色んな宿を巡っていると、至る所で見る貸切風呂、の文字。

「お、お前さんたち新婚さんかい?」
「はいっ」
「うちは貸切風呂だから、夫婦におすすめだよ」
「貸切風呂?」
「二人で一緒に入れるのさ」

店員の言葉に驚いたように目を見開くAと義勇は、そのまま二人して黙り込んでしまい、「今夜はあと一部屋空いてるよ。うちに泊まっていくかい?」との店員の言葉に断ろうとする義勇を遮って、Aは大きくうなづいたのだった。

そのあと案内された部屋で義勇が不満げに黙り込んでいるのを見て、Aは「どうして怒るんですか」と義勇に詰め寄る。

「…お前は全然、俺を分かっていない」
「分かってますよ」
「…。お前が先に入って来い」

そう言ってAに浴衣を押し付けた義勇は、Aから逃げるように部屋の奥に進み、羽織を脱いで座りこむ。

「…義勇さん、」
「絶対に、嫌だ」

Aの言いたいことを分かっているのか、Aの言葉を遮ってそう言った義勇は、頑なにAから顔を背けて、意地でもそのまま動く気は無いようだった。

「……」

そのまましばらく無言の攻防戦が続いたかと思うと、結局先に折れるのは義勇の方なのだった。

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チーズ(プロフ) - レインさん» コメントありがとうございますー!!不器用、じれったいをモットーにして書いたものなので、そう言っていただいて嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございます! (2019年12月17日 21時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 義勇さん不器用すぎていつ、くっつくんだ!早くくっつけ!クソッ!!見てるこっちがなんかアレだ!!(語彙力) 面白い!! 完結おめでとうございます! (2019年12月17日 20時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - たまごさんさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございます!!そうだったんですね!嬉しいです!次作でもどうぞよろしくお願いします! (2019年12月1日 7時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
たまごさん(プロフ) - はああ・・・やはり良きです・・・完結おめでとうございます!!無惨様の作品は知らず知らずのうちに見ていました!!好きだなあと思って、作者誰だろ?と下にスクロールしたらまさかの・・・。僭越ながら次作でも応援させていただきます!! (2019年12月1日 0時) (レス) id: 8760f7a678 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - orangeさん» こちらこそ、最後までお付き合い頂きありがとうございます!ぜひ書かせていただきます(^^)もうしばらくよろしくお願いします! (2019年11月30日 23時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チーズ | 作成日時:2019年11月13日 13時

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