検索窓
今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:163,673 hit

2 ページ37





皆が待っていた広い中庭へとAが着いたあと、すぐに始まった神前式を模した儀は、お館様の前で義勇とAが杯を交わして誓いの言葉を述べる、というものだった。

大勢の人の前で義勇が誓いの言葉を述べた時には、「冨岡ってあんなに長く喋れたんだな」という声がどこからか聞こえてきて、Aも周りと一緒になって思わず笑ってしまった。

「皆さん、それぞれ忙しい方たちばかりなのに…ありがとうございます」

無事に儀を終えAが嬉しそうにそう言って頭を下げると、周りから聞こえてくるのは「本当におめでとう」の声。

「義勇さん、どうしましょう。私…こんなに幸せでいいのでしょうか」

涙を流しながらそう言うAに、優しい表情を浮かべながら無言でAの背を撫でた義勇に、今度は「おい、あの冨岡が笑ってる…」との声が聞こえてきて、やっぱりAは可笑しくて笑ってしまう。

「…俺だって、喋るし笑うこともある」
「ふふ。…とくに、好きなことなら饒舌にお話されますよね」
「…んー、残念ながら、俺たち冨岡の好きなものすら知らねぇなぁ」

気の抜けた天元の声に周りの者皆がうなづくので、Aがそれに答えるように「義勇さんのお好きなものは、鮭大根と、あとは…」と言ったきり残念ながら言葉を途切らせるのを見て、代わりに義勇が口を開く。

「Aだ」
「え、」
「Aのことなら、誰よりも語れる自信がある」

真面目な表情でそう言ってのけた義勇に、Aは恥ずかしそうに顔を俯かせて、周りの者はそれをはやし立てるように声をあげる。

「いやぁ、お熱いね〜」
「…さすが新婚さん」
「素敵!私も早く、素敵な旦那さまを見つけたい…!」

結局そのまま、その場にいた者たちにAと義勇が明日行くはずだった任務が振り分けられて、なんと明日も休みを頂いたAたちは、せっかくだからと少し遠出することとなったのだった。

3→←番外編



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (213 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
377人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

チーズ(プロフ) - レインさん» コメントありがとうございますー!!不器用、じれったいをモットーにして書いたものなので、そう言っていただいて嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございます! (2019年12月17日 21時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 義勇さん不器用すぎていつ、くっつくんだ!早くくっつけ!クソッ!!見てるこっちがなんかアレだ!!(語彙力) 面白い!! 完結おめでとうございます! (2019年12月17日 20時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - たまごさんさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございます!!そうだったんですね!嬉しいです!次作でもどうぞよろしくお願いします! (2019年12月1日 7時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)
たまごさん(プロフ) - はああ・・・やはり良きです・・・完結おめでとうございます!!無惨様の作品は知らず知らずのうちに見ていました!!好きだなあと思って、作者誰だろ?と下にスクロールしたらまさかの・・・。僭越ながら次作でも応援させていただきます!! (2019年12月1日 0時) (レス) id: 8760f7a678 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - orangeさん» こちらこそ、最後までお付き合い頂きありがとうございます!ぜひ書かせていただきます(^^)もうしばらくよろしくお願いします! (2019年11月30日 23時) (レス) id: eb72564922 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:チーズ | 作成日時:2019年11月13日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。