中也の好意 ページ12
男「なぁ、」
Aが、城峰に連れ回されている頃、
中也は男子生徒数人に校内を案内されていた。
中「んだよ?」
男子生徒のうちの1人が、緊張した面持ちで、
中也に質問する。
男「ほんとに、
鈴咲さんと付き合ってないんだよな?」
他の男子生徒も興味津々で、聞いている。
中「はァ、ホントだっつうの。」
その答えに、その場にいた男子生徒の殆どが、
安堵の表情を浮かべる。
その表情に少し苛立った中也は、
不敵な笑みを浮かべ、付け加えた。
中「まァ、両思いなんだけどなァ。
付き合ってないだけで。」
男「えぇっ」
男子生徒達は、不満げな声を出したが、
納得はしていた。
その後、女子グループと男子グループは、
校門前で、合流した。
城峰は、中也に会うなり
笑顔を浮かべ、話しかけた。
城「ねぇ、中原君の事中也って呼んでいぃ?
私の事、結って呼んでいいから!」
早速、アプローチを始めた城峰に対し、
中也は、すっと横目で見た。
中「あー、わりィ。すまねェ、城峰。
さすがに呼び捨てはなァ...」
そして軽く返事をした後、興味なさげに
視線を外した。
城「ふ、ふーん...そっかぁ...
じゃあ、この後、何処かに...」
城峰は、素っ気なく返された事に、
イラだちつつも、次の誘いをしようとした。
しかし、それは中也の声によって遮られた。
中「おいA、そろそろ帰るかァ。」
あ「えっ、あぁ、うん。」
中也は、Aを連れて帰って行く。
残された城峰は、
Aの背中を睨みつけていた。
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作者名:鮭々 | 作成日時:2020年3月6日 18時