メガネちゃんと王子様っ！ (ページ21)

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ようやくたどり着いたジミン君の話していた生徒会テント。
びしょ濡れの格好だけどそこに入り、ホソク先輩を見つける。

『ホソク先輩！ハチマキありがとうございました！』

HS「？！

おーやぁ？！どうしたのその格好！！」

『あ、えっと、汗、かきすぎたので…水浴びしちゃいました』

HS「水浴びって…着替えは？」

今日は朝からジャージだからないんだよなぁ…。
答えられずに黙り込んでいるとホソク先輩が私の手を掴んだ。

HS「ナムジュナ、ちょっと抜けるわ」

？「あぁ。いいよ。

君大丈夫？これ、タオル良かったら使ってね」

ナムジュナと呼ばれたこの人は見たことがある。生徒会長だ。

生徒会長からタオルを貰ってホソク先輩に引かれながらジョングクに怒られたぶりの男子更衣室へ。

HS「今ならバスケの試合始まってみんなそれ見に行ってるはずだから誰も来ないよ」

『あの…私、今日はもう帰るので…』

HS「僕のじゃ大きいと思うけどこれ着てよ」

ホソク先輩に渡された男物のジャージはまでにテヒョン君から借りたものよりはやや小さかったけど私にとってはブカブカだった。
でも、半ズボンなら紐でなんとか止められた。

HS「何があったのかはあえて聞かないけど、心が痛むなら我慢しちゃダメだよ。ハチマキ、洗ってくれたんでしょ。石鹸の匂いがする。

なんで自分よりも先にハチマキを洗うの？」

『だ、だって…借りてた、ものですから…』

HS「でも、ハチマキなんかより自分の方がもっと汚れてたでしょ！！

でもこんなに真っ赤で…寒かったでしょ？」

ホソク先輩の大きな手が私の手を包んでくれた。
すごく暖かくて震えていた身体がゆっくりと落ち着いてくる。

HS「自分を大切にしなきゃ。女の子でしょ」

優しく笑うホソク先輩の顔はやっぱり綺麗で、私が関わっちゃいけない人だって実感した。
私が、汚してしまう…。

『ありがとう、ございました…。綺麗にして、返しますから！』

HS「ねぇ、名前は？」

『へ…？』

HS「そういえば聞いてなかったでしょ？」

『あ…えっと…イ A…です』

HS「Aちゃんね。いいよ。2年の教室遠いだろうし僕が取りに行く」

『でも…！』

HS「先輩に甘えてよ。ね？」

『はい…』

優しさの中に有無を言わさない圧を感じて仕方なく頷いた。