メガネちゃんと王子様っ！ (ページ22)

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あの後、みんなの元には戻らずに私は家へと帰った。
泥まみれのジャージを洗濯しても染みは残ってしまったけどまぁ、着れないわけじゃないから。

ただでさえ貧乏なのにジャージをまた買ってなんて死んでもおばあちゃんに言えない。

そして、明日からはもうあの3人に関わらないと決めるとなぜだか少しモヤッとしてしまう。

そんな気持ちも忘れようと布団に入ったけど、目が覚めてもその気持ちは拭えなかった。

ホソク先輩のジャージを新聞紙で作った袋に入れておばあちゃんには心配をかけないように元気に家を出た。

上靴は無事……机も大丈夫…椅子に画鋲はない…机の中の虫も大丈夫！

早く来て正解だ。今日はまだ何もされていない。
席に座って授業の準備を始めればｶﾞﾗﾗｯと開いたドアからリアナちゃんとそのグループメンバーが登校してきた。
私を睨みつけて席に着く。

どうか、今日が平和に終わりますように。

「イ A。2年の先輩が探してる」

クラスの男子にそう話しかけられてホソク先輩だと新聞紙に包まれたジャージを手に教室を出る。

そこには、制服姿のホソク先輩と生徒会長がいた。

HS「(新聞紙…？)やー、洗濯もしてくれたの？ありがとう！」

『あの、助かりました！ありがとうございました！』

あまり一緒にいる所を見られるのはやばいと思いすぐに教室へ入ろうとすればそれを阻止するように壁に手をついて私の行き先を阻む。

HS「生徒会に興味はない？」

『へっ、いや、でも枠はもう埋まってて…』

NJ「人手不足だからもう1枠設けようと今話しててね。立候補生にすると騒がしくなるから近辺で取り繕うってなったんだよ」

だとしても私はないでしょ…。
これで生徒会にでも入ったら今度こそリアナちゃんが何するかわかんない。

『あの、力になれなくてごめんなさい！

わ、私は…そんな柄じゃないので…』

本当に、もう限界だ。
リアナちゃんがこっちを見てる。
早く離れなきゃ…！

『ありがとうございました！』

今度こそ逃げるように教室へと入った。