セイフク期限【Soya I】

Limit 10 * taisho ページ10

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奢られるのあんまりないから感動…！とペコペコと頭を下げるAちゃん。




「猪狩とよく遊びに行ってんじゃん、その時は？」


『もちろん割り勘だよ、だって毎回奢ってもらってたらそーや破産しちゃうもん、だから割り勘って決めてるの』




得意気に聞いておいて、撃沈。


確かに、Aちゃんと猪狩の出掛ける頻度からしてみれば、そうなのかもしれない。


改めて、仲の良さを見せつけられた気がして、少しだけヘコむ。




「そっか、」


『でもたまーにカッコつけて奢ってくれるんだよね、お手洗い行ってる隙に払っといたから、とか』




私相手にカッコつけてどうすんだ！って話だよね、と頬を緩ませる。


俺には引き出せない表情。


同じ土俵にすら立ててないのに、一丁前に湧き上がってくる嫉妬心。




「猪狩といて、ドキドキとかしないの？ずっと一緒にいるんでしょ？」


『うーん、ドキドキ、っていうより、安心するかな？……てか、たいしょーくん質問ばっかり！』


「じゃあ、俺になんか質問ある？」


『……』


「ないんかい！」




えへへ、ごめんね？と手のひらを目の前で合わせる。


……可愛いなぁ、


でも、俺のモノになんか、なってくれそうにないや。




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