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佐野が包装をしている間に神山が財布を取り出したマダムの元に歩み寄る。神山を視界に捉えたマダムがにっこりと笑った。
「あらやだ、ともくんやないの！ 今日も繁盛しとるなぁ！」
「お蔭様です。ホンマ。おばちゃんたちがこうやって足しげく来てくれるお蔭やで」
「なにゆうとんのよ、水臭いわぁ。ともくんをはじめ、バイトの子達がみんなええ子たちやからやろうなぁ。人徳やで、人徳。それにうちの人、ともくん所のお惣菜をあてに呑むのを一日の楽しみにしとるんやから」
「ホンマ、あん子らが聞いたら喜ぶわ。俺からもありがとうなぁ。あと、おっちゃんもありがとうやで。おっちゃんに飲み過ぎは厳禁やで、って伝えといてくださいね。体壊したら元も子もないんやから」
「任せとき！ きっちり一言一句違わず伝えとくわ！ ともくんに釘されてもうたわぁ、ってぼやきそうやけどな」
マダムとひとしきり笑っていると、包装を終えた佐野が、現金トレーと一緒にマダムの元に戻ってきた。マダムがにやにやと佐野を見るが、佐野は先程の会話を聞いていなかったのか、首をかしげると隣の神山を見遣った。神山が佐野に微笑む。
「おばちゃんがうちのバイトは皆ええ子達やねって褒められとったんよ」
佐野がくしゃりと笑う。実年齢より大人っぽく見られる佐野を年相応に見せる無邪気な笑みだった。
「ホンマいつもいつもありがとうございます！ 僕ら褒められて伸びるんで、これからも遠慮なく褒めてくださいね！」
「おい、佐野！」
「ええのええの。ここの子たちがええ子達なんは事実なんやから」
「天狗になってたら遠慮なく長くなった鼻へし折ってもらってええですからね」
あらら、と口元を手で覆い、上品に驚くマダムに佐野が自身の鼻を両手で隠しリアクションを取る。そういうとこやぞ、という神山の柔らかい突っ込みが飛ぶが、その柔らかさゆえか賑やかさを加速させた。
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umisorame(プロフ) - 待ってました。大好きです。これからの更新楽しみです！ (2022年9月26日 18時) (
レス) @page14 id: 67c933aaba (このIDを非表示/違反報告)
ハル７ - こんばんは。初めてコメント致します。更新の日付を見て飛んで来ました！せろ様の作品の世界が大好きです。お体、お大事になさって下さい。応援しております！！ (2021年6月26日 21時) (携帯から) (レス) id: f6711a1d35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せろ | 作成日時：2021年1月11日 2時
