悩む中間 1 ページ40
「ううっ、ともには勘違いされて電話切られるし、電話を切らせた張本人からは執拗にアプローチされるしなんなん！！ 俺はただとものお弁当を堪能したかっただけなんにッ……グスン」
吐き出すに吐き出せなかったことをようやっと吐き出せたことに安堵しているのか、もういやや、と再び机に項垂れる。全てを投げ打っているわけではなさそうだが、こうやって吐露された側としては何か手を打つ必要があるだろう。
中間がさてどうしたものかとチャイを啜りながら考える。いくら五歳児だと言っても、その内面を見ているのは、中間ぐらいなものである。なんだかんだデスクではうるさいが、曝け出すことはない。唯一会社で重岡の本性を知る中間は、相当きている重岡を前に顔を歪めた。
はてさて、上手くいくものなのか、と。
会社のエースとして働く重岡だが、勿論実力もさることながら、強運の持ち主のため、重岡が意図していないところで幸運が降ってきたりする。今のところ殆どは仕事に繋がっているため、ある人からすれば喉から手が出るくらい欲してしまうものなのではあるのだが、一筋縄ではいかないところが運と言うやつである。そのため、重岡の今後に懐疑的になるのは無理もない。
重岡の入社一年目のエピソードなどは特にそれで、偶々営業に行った会社の社長が重岡のかつてのバイト先の常連さんだったこともあり、重岡の人となりを知っているからの一言で商談が成立してしまった。
商談時間五分、最早商談と言っていいのか分からない早さである。
中間も最初は重岡のミラクルに諸手を上げて喜んだ。偶然とは言っても業績であることには変わらない。大学の先輩という贔屓目はあるのだろうが、重岡が営業部に新入社員で入ってきたこと、早々に成果を出したことを、中間は誇らしく思っていた。重岡の意識が既にボーナスに向いていたとは露知らず。
邪な考えなのかもしれないが、重岡にとって働く事とは、神山との生活の安定に直結していた。未来永劫、同居生活をしていくためには一に安定、二に高収入である。
営業は成績こそが全て。ブラックになりがちなノルマというやつだが、重岡はそのシステムが綺麗に合致した。
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せろ(プロフ) - ミウさん» お初目にかかります、せろです。この度はご感想、ありがとうございました。何度も読み返して頂いているとのこと。本当に感謝しかありません。きっと近日中には続編が上がるはず。気長にお待ちいただけると幸いです。寒い日が続いています。体調にはお気をつけ下さい。 (2020年11月2日 20時) (
レス) id: c4282b60a2 (このIDを非表示/違反報告)
せろ(プロフ) - 憂さん» お初目にかかります、せろです。この度はご感想いただき、ありがとうございました。本当に感想をいただけることが励みになっております。微力ながら憂さんの活力になれていると嬉しいです。少しずつ今書いています。温かいお言葉痛み入ります。憂さんもご自愛ください。 (2020年11月2日 20時) (レス) id: c4282b60a2 (このIDを非表示/違反報告)
せろ(プロフ) - ま。さん» お初目にかかります、せろです。ご感想、ありがとうございました。今回の更新は私もきゅんきゅんしてました。正門君に…っは！Jr.の子達も出して大所帯となってきました。きっと今後はしげちゃんがきゅんきゅんさせてくれるはず…。今後もお楽しみ下さると幸いです。 (2020年11月2日 20時) (レス) id: c4282b60a2 (このIDを非表示/違反報告)
ミウ(プロフ) - はじめまして。何回も読み返したくなるくらい面白くて好きです！これからも無理なさらない程度に頑張ってください。更新楽しみにしています(*´`) (2020年11月2日 11時) (レス) id: 118c412c42 (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - はじめまして。とっても楽しく拝見させていただきました！これからも更新楽しみにしています！無理なさらずにがんばってください(^^) (2020年10月30日 3時) (レス) id: 1b0f5e1577 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せろ | 作成日時：2020年10月17日 2時
