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「もういややぁぁ、何で今日に限って……ともの唐揚げぇ……新作の試作ぅ……出し巻き卵ぉ……」
「しげうるさい！ 勤務中やぞ！ 嘆いている暇があるならExcelでも操作せぇ！！」
諦めが悪い幼稚園児のように今日本当ならば食べられたであろうラインナップを思い出し、余りの恋しさから嘆きの声を上げる。そんな悲観に暮れる重岡を叱咤するのは隣の岸ではなく、はす向かいに座る課長の中間だ。
中間の顔は険しい。営業部きってのエリート集団を纏めるリーダー的存在の中間がきっぱりと重岡を切ると、重岡は増大する哀しみのあまり更に袖を涙で濡らした。軽快なコントのようなやり取りである。とてもじゃないが、上司と部下のやり取りには到底見えない。
「……だってぇ、だってぇ淳太ぁぁぁぁぁぁ！！」
「ああああ！ うっとうしい！！ ちったぁ黙れ！！」
「そんなん言われたってぇ！ 俺完全に被害者なのに！！」
「ああもう、わかったから！ わかったから！ しげ、コーヒーブレイクに付き合え」
「淳太ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！」
重岡の泣きつきにとうとう折れた中間が財布を手に行くぞと立ち上る。重岡は携帯と財布をバックポケットに突っ込むと、少し疲れの見える中間の背中を追ってオフィスを出た。
二人が向かう先は、本社オフィスを通り過ぎ、一階ロビーを含めた商業施設が多数入っているエリアである。そこには大手コーヒーチェーン店が店を構えており、淀みない歩調で入店すると、時間的にも空いている時間帯だったのか、まばらに席が埋まっているのみで、閑散としていた。
中間はホットチャイを、重岡はホットコーヒーを注文すると、出てきたしなを手に店内奥の二人掛けスペースに腰を掛ける。外からは死角であること、観葉植物があり、壁が付近にあることから、選んだ席は、ひそひそ話に向いている。とは言っても、重岡の嘆きをひそひそ話の範疇に留められるとは限らないが、抑制できるものがあるのならば、万全の対策を取るのが最善と言えた。最善の行動をとらずして契約なしとは営業部における金言である。初歩中の初歩だ。
中間がチャイを一口飲むと、ソーサーに置いた。中間が一息ついたのを確認すると、重岡は自身が注文したコーヒーには手を付けず、口を開いた。
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せろ(プロフ) - ミウさん» お初目にかかります、せろです。この度はご感想、ありがとうございました。何度も読み返して頂いているとのこと。本当に感謝しかありません。きっと近日中には続編が上がるはず。気長にお待ちいただけると幸いです。寒い日が続いています。体調にはお気をつけ下さい。 (2020年11月2日 20時) (
レス) id: c4282b60a2 (このIDを非表示/違反報告)
せろ(プロフ) - 憂さん» お初目にかかります、せろです。この度はご感想いただき、ありがとうございました。本当に感想をいただけることが励みになっております。微力ながら憂さんの活力になれていると嬉しいです。少しずつ今書いています。温かいお言葉痛み入ります。憂さんもご自愛ください。 (2020年11月2日 20時) (レス) id: c4282b60a2 (このIDを非表示/違反報告)
せろ(プロフ) - ま。さん» お初目にかかります、せろです。ご感想、ありがとうございました。今回の更新は私もきゅんきゅんしてました。正門君に…っは！Jr.の子達も出して大所帯となってきました。きっと今後はしげちゃんがきゅんきゅんさせてくれるはず…。今後もお楽しみ下さると幸いです。 (2020年11月2日 20時) (レス) id: c4282b60a2 (このIDを非表示/違反報告)
ミウ(プロフ) - はじめまして。何回も読み返したくなるくらい面白くて好きです！これからも無理なさらない程度に頑張ってください。更新楽しみにしています(*´`) (2020年11月2日 11時) (レス) id: 118c412c42 (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - はじめまして。とっても楽しく拝見させていただきました！これからも更新楽しみにしています！無理なさらずにがんばってください(^^) (2020年10月30日 3時) (レス) id: 1b0f5e1577 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せろ | 作成日時：2020年10月17日 2時
