プロローグ ページ1
◇ご近所さんには天使たちがいました。◇
「Aねぇちゃん」
「こんにちは！」
私がまだ中学生の頃、学校からの帰り道、ふたりの子供が私に声を掛けた。
瞳と、長い睫毛をみれば一目で兄弟とわかる。幼いながらに綺麗な顔をしたご近所に住んでいた糸師さん家の子たちだった。
お兄ちゃんの方が糸師冴くん。子供にしては表情が貧しいかもと思うけど、私に見せる笑顔がとても可愛い子。弟くんの方が糸師凛くん。冴くんが大好きなお兄ちゃんっ子で、笑顔がとっても似合う子。
「まだ遊んでたの？ 暗いから危ないよ」
「Aねぇちゃんに会いたくてまってた」
「おれもだよ！」
笑顔でそんなことを言った兄弟を、思わず抱きしめたいときの、楽しげな声を覚えてる。自惚れなくても、彼らは私のことが好きだったと断言できる。
そんな兄弟が、きらきらと瞳を輝かせながら。ある日、こんなことを言ったのだ。
「おれ、Aねぇちゃんを、しあわせにする。」
「急だねぇ。どうしたの、冴くん？」
「母さんが、だいじな人は、しあわせにしてあげるんだよって。おれは、Aねぇちゃんがだいじ」
「ふふ、ありがとう。でもね冴くん。きっとお母さんが言ってることはね、ずーっと一緒にいなきゃいけない、一生にひとりのとっておきだよ」
「ずるい！ おれもずっとAといっしょに居たい」
「凛くんもかぁ」
「どうしたらAねぇちゃんといっしょに居れるの」
幼い彼らが真剣な顔で私を見るから、曖昧に答えるのはなんだか失礼な気がした。だから、すこし、真面目に答えただけだった。
「結婚かな。結婚すればずっと一緒だと思うよ。冴くんと凛くんのお父さんも結婚してるの。結婚したら、冴くんはお婿さん、私はお嫁さんで、ずーっと一緒！」
「けっこん？ …じゃあ、おれ、今からAねぇちゃんとケッコンする。」
「兄ちゃんばっかりずるいってば！おれもAとケッコンする」
「ああ。おれと凛で、Aねぇちゃんをオヨメさんにするぞ」
「んー、でもね、冴くんと凛くんじゃ結婚できないんだよなぁ」
「えっ」
「でも、大きくなったら、結婚出来るよ。だから、大きくなったら迎えにきて」
「やくそくする」
「俺も！」
そう、三人で小指を重ねた。
子供の遊びみたいな可愛いものだと思ってたし、大人になったら忘れると思ってたから、簡単に頷いた。
それがまさか。あんな事になるとは考えもしなかった。
．
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かぼちゃ饅頭 - ミルクティーさん» 更新停止すみません！ 大好きだなんて嬉しいです。遅れてすみません。応援ありがとうございます、頑張ります。 (2023年4月21日 21時) (
レス) id: cd440b7134 (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃ饅頭 - 本好きさん» ありがとうございます。好きでいてくださる本好き様の為に、これからは頑張ります。 (2023年4月21日 21時) (レス) id: cd440b7134 (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃ饅頭 - ミミックさん» 嬉しいお言葉に返信が遅れて申し訳ない気持ちでいっぱいです。そうやって私を励ましてくださるあなた様もためにも、更新を頑張ります。 (2023年4月21日 21時) (レス) id: cd440b7134 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティー - 更新停止しているのが残念です💦私もこの作品が大好きなので頑張ってください応援してます (2023年3月29日 17時) (レス) @page4 id: 1b79b74d6d (このIDを非表示/違反報告)
本好き(プロフ) - パクリかは私にはわかりませんがこの作品のことが好きなのでこれからも頑張ってほしいです! (2023年3月29日 12時) (レス) @page4 id: bbb8acb98d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぼちゃ饅頭 | 作成日時：2023年2月8日 17時
