よーんじゅさん ページ43
･
慎太郎side
部屋で自由に過ごしてたら急にドアをノックされ開かれた
え...?なんで?
慎「何?」
光「蓮見兄弟ね...今から終電の電車に乗ってアメリカ行くって...さっき家を出てったよ」
...は?なんだよそれ...勝手すぎだろ
アイツらここ来て1週間もたってないぞ?
なんかムカつく...
気がつくと僕はご飯もそこそこに席を立っていた
光「ちょっと慎太郎!?」
慎「ちょっと行ってくる!」
...終電なら走れば間に合う
嫌われてもいい...最後にアイツらに僕の想いをぶつけたかった
慎「おい! ちょっと待てよ」
成「...来たんだ」
慎「お前らいいよな...逃げ場があって
...こないだ成亮くんに言ったことは悪かったって思ってる
でも...結局逃げてることに変わりないだろ!
羨ましいよ...僕らはこの町から出られないのに
お前らは嫌になったらすぐに他の場所に行けるんだもん
...結局お前らはいろんなことから逃げてるだけの弱虫じゃん!
壁にぶつかっても立ち向かおうともしないなんて...やっぱりかっこ悪いよ」
成「...前にも言ったろ?かっこ悪くて何が悪い
1週間世話になったな...感謝はしてるよ
あの時は怒ったけどお前が言いたいことも分かるし...
でもな逃げて何が悪い?
...逃げなきゃやってられねぇことだってあんだよ
まだ頑張れる...まだやれるって自分の気持ちに背いていると気付いた時には手遅れになるんだよ
もうそんな思いしたくないんだ...だったら異変に気づいた時に逃げる...それの何が悪い?」
そう言われるとこっちは何も言えねぇよ...
だけどさほんとは頼ってほしかった
逃げる前に周りの人に相談してほしかった
たしかに僕らは3人のことを嫌ってるように接してたかもしれないけど...それはただの嫉妬で本当は嫌いじゃない
でもこれ以上は何も言えなかった
ここに残ってほしいなんて...そんなこと言えるはずがない
慎「...じゃあ勝手にしろ!
そうやっていつまでも周りに甘やかされて育てばいいさ」
結局言いたいことは何も言えなくて捨て台詞をはき僕は走った
...やっちゃったな
僕...完全に最低なやつじゃん
なんて...後悔してももう遅いか
しばらく頭を抱えて悩んでいると通過する電車
慎「...ごめんな
ありがとう...頑張れよ」
少し遠くに見える電車を眺め呟く
あの電車に乗ってるであろうアイツらには届いていないだろうけど...
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作者名：春季 | 作成日時：2022年2月20日 14時
