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『水無瀬、お前は高杉が来るんだよな?』
『はい、晋助さんが』
ふーん、そっか、と銀時は呟く。
他には、とAが首を傾げれば、銀時は手元にある出席簿の角を揃えるように教卓にトントンと叩いた。
『そんだけ。早く帰れ受験生』
シッシと手の甲でAを追い払う。
彼女は呆気に囚われながらも、さようならと銀時に伝えた。
『もう終わったんですかィ』
『う、うん……』
沖田は帰り支度するAを見つめ、彼女は鞄を肩にかけては再び銀時を見遣る。
鼻をほじり、何も考えてなさそうなのに、何か裏がありそうで。
彼らはそんな掴みどころのない銀時に対して、疑問を持ちながらも帰路につく。
『明日提出する佐々木先生の英語の課題なんだけど……』
問5が難しいよね、と話題を変えるAに、沖田はうなずいた。
『Aが難しいんなら、俺は解けねェや』
Aは学年で指折りの秀才だった。
優等生な彼女は、悪ガキと言われている沖田とは不釣り合い、だなんて、周囲では言われている。
『……ねえ、沖田くんは進学だっけ?』
『俺は警察学校に行く』
『そっか……』
高校三年生という、大学に進学する者は受験生だと言われる時期に、何やらAには秘密があるようで。
問いただしもしない沖田の隣りが心地良い彼女は、沖田の答えに「凄いね」と答える。
何でも話してくれれば良いのに。
そう思っても、沖田はAの隣りという立ち位置を奪われぬようにするしかなかった。
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ハル(プロフ) - アカツキさん» ありがとうございます!お久しぶりです!また会えて嬉しいです╰(*´︶`*)╯♡これからも一緒に頑張りましょう!! (2022年1月22日 19時) (レス) id: 0456a00227 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 完結お疲れ様です、そしてお帰りなさいませ! ハルさんがまた占ツクにて執筆してくださって嬉しいです、今後の活動も応援しています (2022年1月22日 12時) (レス) id: c61df8f136 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 中村さん» わー!⁉︎中村さんだー、、!またお会いできて嬉しいです!コメントありがとうございます!こんなところでお会いできるなんて……!またどうか仲良くしてくださいませ😊😊😊 (2022年1月9日 18時) (レス) id: 2a42df9825 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ☆辻村春樹☆さん» コメントありがとうございます!!読んでくださって嬉しいです!!お互い更新頑張りましょうね♬よければ仲良くしてください☺️ (2022年1月9日 18時) (レス) @page19 id: 2a42df9825 (このIDを非表示/違反報告)
中村(プロフ) - なんとなく久しぶりに占ツクを開いたらハルさんの新作が出ていて、わー!!?となりました、、!そのテンションのままコメント失礼しちゃってます💦 またハルさんのお話が読めて嬉しいです。執筆、思い切り楽しんでください!陰ながら応援させていただきます☺ (2022年1月8日 23時) (レス) id: 662e82697c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作成日時:2022年1月2日 21時