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『げ』
女子生徒らは、その人物を見ては嫌そうに眉を顰める。
『銀時かよ!』
銀時の登場で、Aは胸が安堵した。
しかしそれと同時に、弱い姿を見られたことに恥ずかしくなる。
女子生徒はAの肩をドン、と押し、その場を立ち去った。勢いよく当たられたことによってその場に彼女は倒れ込んでしまって、恥ずかしさで直ぐに立てない。
『大丈夫か?』
『は、はい……』
やめて。見ないで。こんな私を、嫌いにならないで。
俯くAに、銀時はポリポリと髪を掻いてはどうしたもんかと溜め息を吐く。
『沖田くんに言えば何とかしてくれんじゃねーの?』
『沖田くんには、言いません』
言ってしまえば、離れていく。
沖田はそういう男だ。
そのことを、Aは知っているのだ。
『言えねェなら俺が言おうか?』
『沖田くんには、沖田くんには言わないで……』
『なんで』
沖田なら百倍、いや千倍返しをしてくれるだろう。
それでもAは、結末を知っているからそれを望まない。
『沖田くんだけなの。私の友達は』
『……友達、ね。友達と思ってるのはお前だけかもよ』
『え?』
どういうことですか。
そう彼女が聞く前に、銀時はそっぽを向いてしまう。
残されたAは、自分の不甲斐なさに零れた涙を拭って、足についた土埃を払った。
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ハル(プロフ) - アカツキさん» ありがとうございます!お久しぶりです!また会えて嬉しいです╰(*´︶`*)╯♡これからも一緒に頑張りましょう!! (2022年1月22日 19時) (レス) id: 0456a00227 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 完結お疲れ様です、そしてお帰りなさいませ! ハルさんがまた占ツクにて執筆してくださって嬉しいです、今後の活動も応援しています (2022年1月22日 12時) (レス) id: c61df8f136 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 中村さん» わー!⁉︎中村さんだー、、!またお会いできて嬉しいです!コメントありがとうございます!こんなところでお会いできるなんて……!またどうか仲良くしてくださいませ😊😊😊 (2022年1月9日 18時) (レス) id: 2a42df9825 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - ☆辻村春樹☆さん» コメントありがとうございます!!読んでくださって嬉しいです!!お互い更新頑張りましょうね♬よければ仲良くしてください☺️ (2022年1月9日 18時) (レス) @page19 id: 2a42df9825 (このIDを非表示/違反報告)
中村(プロフ) - なんとなく久しぶりに占ツクを開いたらハルさんの新作が出ていて、わー!!?となりました、、!そのテンションのままコメント失礼しちゃってます💦 またハルさんのお話が読めて嬉しいです。執筆、思い切り楽しんでください!陰ながら応援させていただきます☺ (2022年1月8日 23時) (レス) id: 662e82697c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作成日時:2022年1月2日 21時