【銀魂】べいびーべいびー

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『晋助さんに怒られるのは、初めてです』

『怒ってねェよ。叱ったんだ』

『何が違うんですか？』


私は淹れてもらったココアに息を吹き、少し口の中に含む。
晋助さんはコーヒーカップを回しては、そこに映る自分を見つめたのか、小さく喉を震えさせるように笑った。


『怒る、は感情に身を任せることだが、叱る、は親が子どもに責任を持って正しい道を諭すことだ』


なるほど。そんな違いがあったのかと、私は頷く。


『それなら、初めて叱られました』

『お前は良い子だからな』

『私、良い子ですか？』

『あァ、良い子だ。世界で一番な』


A。
貴方に名前を呼ばれると、とても誇らしい。真っ直ぐに名前を呼ぶから、そこへ飛び込んで行きたくなる。


『お前のことを褒められるたび、俺はいつも鼻が高かった。自分が間違ってなかったことが分かる。お前は俺の誇りだよ』


ありがとうと言うべきなのは私の方なのに。
晋助さんからのありがとうは、くすぐったくて敵わなかった。


『晋助さん。私、将来晋助さんのサポートがしたいです』


鬼兵隊に入って、力になりたい。
そう言った私の頭を不器用に撫でた晋助さんは、柔らかく笑った。


『あァ。待ってる。……その代わり、バカはいらねェ。だから勉強してこい。世界をその目で見てから来やがれ』

『はい！』


元気よく返事をした私を、晋助さんは満足そうに頷く。

こうして、私は大学に進む道を選んだ。





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