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あれから、部屋に行き来しても和也がキスをしてくることも
そういう仲を求めてくることもない。
『約束』だから。
律儀に守ってくれている。
「お母さん、今日は泊まらないから。」
「えぇ！準備してたのに。」
実家に帰ると大体泊まっていくけど、今日は思い出してしまった過去があるから。
思い出に近いところで、寝たくはない。
てか、寝れなくなる。
「じゃあ、そろそろ帰るね。」
「早いんじゃない？終電、まだあるでしょ？」
「明日も、仕事だし。」
「それじゃあ、俺が送りますよ。」
「一人で帰れるし。」
和也に送ってもらうとか、最悪じゃないけど。
それでも、最悪。
「和也くんが一緒ならいいわ。またおいでね？」
「もちろんですよ。次は結婚報告で来ます。」
「はぁ！？」
「あらまぁ。楽しみにしとくわね。」
「それじゃあ、お母さん。お休みなさい。」
「おやすみ〜 」
お母さんまで、騙されないでよ！
キラキラなおめめに！！
「よし、A帰るぞー」
「ちょっ、ちょっと、」
引きずるみたいにして腕を引っ張っていく強引なところは、
昔から全然変わってない。
「和也！！待って！！」
「なんだよ。」
足止めされたことが嫌だったみたいで顔をしかめている。
「その、変装とか、してない。」
「いいんだよ。」
「良くないでしょ？こんな所撮られたら、」
「好都合じゃん。行こ。」
「何が！？」
あの時と同じように、掴む手を振り払った。
また。
やっちゃった。
「何って、撮られたら結婚できるじゃん。」
「......ふざけてんの？」
私はただの一般人で。
あなたは天下のアイドル様。
「だから、ずっと言ってるじゃん。結婚しようって。」
「それは、そうだけど...。」
あれ以来、ひたすら、
『結婚しようか。』
そう言われ続けてる。
何度言われようと、
何度頷きかけようと、
叶うわけ無い。
「だめ、か。」
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河衣榛(プロフ) - めいりんさん» コメありがとうございます！これからも頭を働かせて頑張っていきます！応援よろしくお願いします！！ (2015年1月25日 1時) (
レス) id: 28e4d98abc (このIDを非表示/違反報告)
めいりん(プロフ) - 初コメです！！とっても面白かったです！！一気に読んじゃいました！！ほかのお話も楽しく読ませていただきます！！これからも頑張ってください♪ (2015年1月23日 18時) (レス) id: f391d12e83 (このIDを非表示/違反報告)
あお - これからも頑張って〜！ (2015年1月15日 23時) (レス) id: fc70051463 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：河衣榛 | 作成日時：2015年1月15日 2時
