twenty-six ページ26
あれから、山城さんからの連絡が全く無くなった。
会社で会うことすらも。
聞いた話では、辞めたらしく。
きっと和也と何かあったんだろうけど、
話したがらないから、深くは聞かない。
「ねぇ、本当に行くの......？」
「あったり前田のクラッカーだよ☆」
「そうだねって、ネタがいちいち、古いんだよ！！」
「あ、乗ったな。一瞬、乗ったな！」
「あーもー、うるさいなーー！！」
今、私の実家の前にいる。
今度来るときは、結婚報告、っていう冗談が事実になった。
前とは少し歩く距離とか、話す位置とか、
全部が近くなった。
それと同時に、和也の放つ空気感が物凄く甘くなった。
あれ、こんなだったっけ？と毎度毎度思ってしまう。
「A。」
「何ー？」
「手。出して。」
「え、何よ。」
言われるがままに右手を差し出せば、
「本物はちゃんとあげるけど、ちょっとロマンチックに、ね。」
そういって、
私の
薬指にそっと。
そっと、
シロツメクサで作られた指飾りをはめた。
「これって、」
"婚約指輪"？
そう聞きたいのに、声が出ない。
「......覚えてないよな。それ、Aとの『約束』。」
「う、ん。」
和也が笑ってくれたからそれでいい。
「佐野Aさん。」
「はい。」
日本中を虜にしてしまう、その瞳と目が合う。
「俺と結婚してください。」
「............っは、い。」
自然に涙が止まらなくなって。
辺りを濡らすのは、ただの涙じゃなく和也と過ごした日々の全て。
「盛大には祝ってやれないかもしんないけど。」
「......ぅん。」
「それでも、幸せだって胸張って生きてこうか。二宮Aさん。」
「......はいっ。」
貴方はいつだって、私に甘いけど。
貴方と同じ名を名乗って、
貴方と同じ空気を吸って、
貴方と同じ道を歩んでく。
それは、私が飲んだ甘い
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河衣榛(プロフ) - めいりんさん» コメありがとうございます！これからも頭を働かせて頑張っていきます！応援よろしくお願いします！！ (2015年1月25日 1時) (
レス) id: 28e4d98abc (このIDを非表示/違反報告)
めいりん(プロフ) - 初コメです！！とっても面白かったです！！一気に読んじゃいました！！ほかのお話も楽しく読ませていただきます！！これからも頑張ってください♪ (2015年1月23日 18時) (レス) id: f391d12e83 (このIDを非表示/違反報告)
あお - これからも頑張って〜！ (2015年1月15日 23時) (レス) id: fc70051463 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：河衣榛 | 作成日時：2015年1月15日 2時
