sugar5.沖田総悟 ページ5
『あとどれくらいかな?』
『まだ乗ったばかりですぜ』
電車の窓から外を見つめる私を、彼は軽く笑う。隣に座るそーちゃんはこれから向かう遊園地のパンフレットを開き、しげしげと眺めていた。
その姿を横目に映していれば、口からは自然と大きな欠伸が出てくる。それを手の平で隠し、潤み始めた目を指先でこすっていく。
『眠い?』
『んー……少しだけ』
そう言うと、彼は私の頭を自分の肩に引き寄せ、そのままポンポンと数回優しく手を乗せた。「着くまで寝ときなせェ」と言ってくれたが、こんなに朝早いのだからそーちゃんだって眠いはず。
『二人とも寝過ごしちゃったら大変だよ』
『俺が起きてやすから』
『そーちゃんが起きてるなら私も起きてる』
そう言って座り直した私を彼は「ワガママ」とバカにし、「なら俺が寝る」と私の肩に寄りかかる。頬をかすめるそーちゃんの栗毛がくすぐったく、撫でるようにそれを指で軽く梳いた。
不意に閉じていた目を開けて私を見上げる彼は、何を思ったのか私に小さなリップ音を立てながらキスをしたのだ。
途端に恥ずかしくなって顔を隠す私を、またそーちゃんはクスりと笑って私の耳元で名前を呼ぶ。
『ゆ、遊園地楽しみだね!』
平静を保とうとして話題を変える私に彼は頷き、一緒にパンフレットを覗き込んだ。これ乗ろうあれ乗ろうと指差していれば、瞼が自然に落ちていってしまう。
目が覚めたのは電車が終点駅に着いた時で、二人して寝起きの顔を見合わせては、吹き出すように笑った。
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ハル(プロフ) - なな天パさん» いいえ〜! ね、本当に教師との恋愛って憧れるけど実際どうなのかなー、と考えながら作った結果がなんだこれって感じになってしまったのですが、そう言ってもらえるととてもありがたいです(´ ∀`) 閲覧とリクエスト、ありがとうございました (2018年1月6日 11時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
なな天パ(プロフ) - ハルさん» リクエストを受けて下さりありがとうございます!夢主ちゃんが冗談が嘘って言った後の松陽先生の確認の行動が可愛かったです。あと、最後、二人でひとつのブランケットって言うのがすっごい良かったです。全部ひっくるめて最高でした!本当にありがとうございます!! (2017年12月30日 20時) (レス) id: 63c427bf32 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫蘭さん» 儚すぎて書き終わった瞬間に「ううん」と首を捻ってしまうくらいのあれですね……(;´д`) バイオバザードとかやってたんですか? それはそれでいいクリスマスだと思いますよ!自分の好きなことをするのが一番です! こちらこそ閲覧ありがとうございました( ´ ∀`) (2017年12月30日 11時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» まじか!ありがとう!! もうハルとして見てもいいよ笑 どうせそっちも何にも変わらないハルだし笑 うん、頑張るね! あっちでも夢書きやってるから、また時間があったら見に来てくださいな(^人^) ありがとう (2017年12月30日 11時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 儚いのがまた良いですね。私好みです笑 ちゃんとクリスマスになってますよ!!こんなクリスマス…羨ましいです…。私なんて、前日も当日もゾンビから世界を守ってましたから笑 でもハルさんのお陰で最高のクリスマスになりました!!ありがとうございます! (2017年12月27日 15時) (レス) id: 684ce788b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年9月5日 18時