sugar12.桂小太郎 ページ12
『ねえ、今何考えてる?』
ベッドの中、私に腕枕をしている彼はまだ眠そうな目で瞬きをする。そんな小太郎の胸に寄り添うように頬を擦り付ければ、小さく笑って私の頭を撫でた。
そうして先ほどした質問の答えを考えているのか、「うーん」と捻り声を漏らす。
『今日の昼は、蕎麦がいいな』
『……あっそう』
「へえ」と彼に背を向けた私は自分の髪を指先にクルクルと絡みつけた。
小太郎の詰まらない返答はもう聞き飽きてしまっているのだ。私はいつでも彼のことを考えているのに、そんな一途な私は蕎麦に負けている。
『美味い店を見つけたんだ』
『今日は奢るぞ』
「今日は」と言っておいて私に財布を出させたことがないくせに。
私がヘソを曲げていることに気付いた小太郎は、機嫌を直せと言いたげに小声で私の名前を呼んでそのままぎゅっと抱きしめた。たちまち彼の体温に包まれ、いそいそと小太郎の胸の中に戻っていく。
『……エビ天つけてね』
『二個でも三個でも好きにつければいい』
「だが腹八分目だぞ」と言うその古臭い考えに自然と笑みが零れてしまい、「残りの二分はデザートね」と言えば小さな息を吐いた。
それは彼が妥協する時にやる癖で、私はデザートを何にしようか考える。
『……いつもお前のことばかり考えてるぞ』
不意打ちで内緒話のように私の耳元で囁くから、素直じゃないなあ……なんて胸の底から愛しい感情が溢れ出してどうしようもなくなっていく。
デザートなんか、もうどうでもいいや。
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新作書き始めました。作品がゆったり更新になってしまいますが、両方ともよろしくお願いします。
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ハル(プロフ) - なな天パさん» いいえ〜! ね、本当に教師との恋愛って憧れるけど実際どうなのかなー、と考えながら作った結果がなんだこれって感じになってしまったのですが、そう言ってもらえるととてもありがたいです(´ ∀`) 閲覧とリクエスト、ありがとうございました (2018年1月6日 11時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
なな天パ(プロフ) - ハルさん» リクエストを受けて下さりありがとうございます!夢主ちゃんが冗談が嘘って言った後の松陽先生の確認の行動が可愛かったです。あと、最後、二人でひとつのブランケットって言うのがすっごい良かったです。全部ひっくるめて最高でした!本当にありがとうございます!! (2017年12月30日 20時) (レス) id: 63c427bf32 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫蘭さん» 儚すぎて書き終わった瞬間に「ううん」と首を捻ってしまうくらいのあれですね……(;´д`) バイオバザードとかやってたんですか? それはそれでいいクリスマスだと思いますよ!自分の好きなことをするのが一番です! こちらこそ閲覧ありがとうございました( ´ ∀`) (2017年12月30日 11時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» まじか!ありがとう!! もうハルとして見てもいいよ笑 どうせそっちも何にも変わらないハルだし笑 うん、頑張るね! あっちでも夢書きやってるから、また時間があったら見に来てくださいな(^人^) ありがとう (2017年12月30日 11時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 儚いのがまた良いですね。私好みです笑 ちゃんとクリスマスになってますよ!!こんなクリスマス…羨ましいです…。私なんて、前日も当日もゾンビから世界を守ってましたから笑 でもハルさんのお陰で最高のクリスマスになりました!!ありがとうございます! (2017年12月27日 15時) (レス) id: 684ce788b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年9月5日 18時