【銀魂】シ ュ ガ ー ポ ッ ト

sugar１１．神威 ページ11

『……こっち向いてよ』




ひとつのベッドの中、一枚の毛布。俺からそれを奪うように包まっているのは愛しいAだ。

彼女はチラリと俺の方をジト目で見たかと思えば、結局は壁とこんにちはをしている。





『どうしてそっち向くのー？』




シャンプーの匂いがする髪から覗く耳に唇を寄せると、くすぐったそうに身を捩り出す。その反応が面白くて、わざとリップ音を立たせながら耳にキスをするのだが、「もう」と怒られてしまう。




『ならこっち向けよ』




「じゃないとこうするよ」とAを後ろから抱きしめた。呆れたように溜め息を小さく吐いた彼女がようやくこちらを見たかと思えば、キッと睨まれる。

そうして頬を軽く膨らませ、「あのねぇ」と説教を始めた。





『私、明日早いって言ったよね』
『うん。言ってたね』

『だから一刻も早く寝たいの』
『俺はまだ寝たくないの』

『……起きれなかったら大変なんだから』
『俺が起こしてあげるから』




「お姫様を起こすのは王子様の役目だろ？」とAの唇にキスを落とそうとしたが、「どうせ起きれないくせに」と再びそっぽを向かれてしまう。


これ以上強請ると逆効果になりそうな気がするため、今夜は我慢するしかないようだ。しょーがないと息を吐いた俺はAの肩を掴み、自分の方を向かせる。



「ちょっと」とムスッとした顔をしたAに俺は小さく苦笑を浮かべ、彼女の前髪を掻き分けて露わになった額にキスを落とす。




『おやすみのキスくらい、良いだろ？』




「ね？」と微笑みかければAは怒れないのか、やれやれと言いたげな笑みを見せた。そうして俺の首に腕を回し、「おやすみのハグ」と言っては抱きしめられる。




『じゃあ、おやすみのイトナ……『早く寝ろ』




結局最後は俺を調子に乗らせてくれない。でも俺にひっついて眠るAが可愛いから、今夜だけは許してあげる。

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