sugar15.坂田銀時 ページ16
『……ん?』
『ん?』
私にキスをした彼から少し離れ、小首を傾げた私を真似して銀ちゃんも首を横に倒す。そうして私の頬を両手で触って再びキスをしようとするのだが、その動きを止めた。
『どした?』
少しでも動いて仕舞えば触れてしまう距離にある互いの唇。銀ちゃんは早く合わせたくて仕方ないのか、私の返答を眉を寄せて待っている。
そんな彼の口元に、私は唇ではなく鼻を寄せた。そうしてそのまま鼻をすんとすすって、銀ちゃんの匂いを嗅ぐ。
『なになに、加齢臭?』
『だとしたら傷付くんですケドー』
『違うよ』
『なにか飴とか食べてた?』
私の質問に彼は首を横に振り、「何も食ってねェけど」と教えてくれた。しかし私は腑に落ちず、小さな捻り声をあげてしまう。
銀ちゃんは私をジッと見つめ、どうしてそんなことを聞くのか理由を知りたがっている。
『なんかね、銀ちゃんとキスすると甘い味がするの』
「なんでかな?」と結構真面目に聞いた私に、彼はすぐさま口元をニンマリと緩ませていく。その表情を見た私は咄嗟に身構えるも、既に彼の手中だった。
彼は吐息混じりに「それはなァ」と囁いて、私の唇に上の角度からキスの雨を降り注がせる。
『お前が、俺のことがチョー好きって証拠』
わざとリップ音を立てた銀ちゃんは、私の顎を掴んで何度も角度を変えてキスをした。そうして唇から頬、耳朶へと這わせた彼は耳の奥に響くような低い声で私に教えてくれる。
『俺が糖尿病になっちまう原因は、お前のキスが甘いから』
「知ってた?」と意地悪そうに笑う銀ちゃん。「そんなの知らないよ」と失笑を零す私を、彼はぎゅっと抱きしめた。
それなら彼の糖尿病は、一生治りゃしないや。
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ハル(プロフ) - なな天パさん» いいえ〜! ね、本当に教師との恋愛って憧れるけど実際どうなのかなー、と考えながら作った結果がなんだこれって感じになってしまったのですが、そう言ってもらえるととてもありがたいです(´ ∀`) 閲覧とリクエスト、ありがとうございました (2018年1月6日 11時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
なな天パ(プロフ) - ハルさん» リクエストを受けて下さりありがとうございます!夢主ちゃんが冗談が嘘って言った後の松陽先生の確認の行動が可愛かったです。あと、最後、二人でひとつのブランケットって言うのがすっごい良かったです。全部ひっくるめて最高でした!本当にありがとうございます!! (2017年12月30日 20時) (レス) id: 63c427bf32 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 紫蘭さん» 儚すぎて書き終わった瞬間に「ううん」と首を捻ってしまうくらいのあれですね……(;´д`) バイオバザードとかやってたんですか? それはそれでいいクリスマスだと思いますよ!自分の好きなことをするのが一番です! こちらこそ閲覧ありがとうございました( ´ ∀`) (2017年12月30日 11時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» まじか!ありがとう!! もうハルとして見てもいいよ笑 どうせそっちも何にも変わらないハルだし笑 うん、頑張るね! あっちでも夢書きやってるから、また時間があったら見に来てくださいな(^人^) ありがとう (2017年12月30日 11時) (レス) id: 645308de9c (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 儚いのがまた良いですね。私好みです笑 ちゃんとクリスマスになってますよ!!こんなクリスマス…羨ましいです…。私なんて、前日も当日もゾンビから世界を守ってましたから笑 でもハルさんのお陰で最高のクリスマスになりました!!ありがとうございます! (2017年12月27日 15時) (レス) id: 684ce788b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年9月5日 18時