Sweet Home 1

天然 ページ27

「そういえばジェジュンさんは、

リョウジくんとはいつ知り合ったんですか？」


同じ大学だけど、学部は違ったみたいだし



「最初は学食でオレが忘れた鞄を届けてくれてたのがリョウジだった。

その時はそれで終わったんだけど」


ジェジュンさんも意外とそそっかしい所があるんだな(笑)


「しばらくして、駅の改札で

ICカードを置いたまま通り過ぎようとして

たまたま後ろにいたリョウジに爆笑されて。

それから話すようになったんだ」



思わず笑ってしまった



「ちょ、ジェジュンさん、それ本当ですか？！

ICカードってピッってするだけですよね？

置いてきたってどういうことですか？」



「ピッってする所にそのまま置いてきたんだよ。

そんなにおかしいか？」



「面白すぎますって(笑)」



ジェジュンさんが普通に話しているのが

また面白くて



「ジェジュンさんって意外と天然ですよね。

そういえば、ここで初めて会った時

私のことオネエになった兄だと思っていて

私がフルネームを言ったら、返ってきた言葉が

“キリヤはファーストネームじゃなかったのか”

でしたもん(笑)」




お酒が入っていることもあって、

テンションが高めの私は

しばらく笑いが止まらなかった



「ごめん。色々と失礼だった」


ジェジュンさんが謝った



「いいんです。

あの時は確かに怒ってましたけど、

今はこんなに笑ってるんですから。

受け止め方も変わるもんですね」


　
「そうだな」




「私は？

最初と印象が変わったりとかありますか？」



「案外ちゃっかりしてるところがあるな」



「えっ！うそ」



「今日の夕飯、オレが作るって言ってなかったけど、そう思ってたみたいだし。

まぁ、そのつもりだったけど。

自分にとって良い環境にもっていくのが

うまいのかもな。

悪い意味じゃない。

それに...


なんだ、寝たのか？」





「...ん、起きてまーす...」



「寝てただろ。

さっきまでハイテンションだったのに。

初めて会った日も酒飲んで

気分良さそうに帰ってきたよな...

寝るなら部屋に行ってくれよ？

オレは、あいつみたいに寝室に運んだりしないぞ」


.....


「寝たのか...よく寝られるな。

保護者か、随分と都合のいい名前をつけたもんだ。

本当にちゃっかりしてるな、A」

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