一 週 間 ダ ケ 。 【中務 裕太】

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誰がどう見ても俺の後ろ姿やんな。しかと授業中の。なんで？あれ……この角度って確か…





中務｢鷲尾？｣





この角度の俺の席だとどう考えても鷲尾の席からしか撮れないと思う。





片寄｢ん？わっしー？…俺とAの幼馴染だけど｣





は？あいつなんなん？俺の周りに知り合い多すぎなんか狙っとるやろ絶対。怖。




しかもLINEの内容も怖。こんな文章よく身内に送れたな。尊敬の域に達するわ。




とりあえずアイス屋行かなくてよかったーって机に突っ伏したら玲於が携帯から目を上げて窓の外を見た。







佐野｢……あ、雨降ってきたまじか最悪｣





通り雨とか言うやつで、どうせすぐに止むんやろうなぁって思いつつ重たい腰があがらなくって。




玲於と亜嵐くん隼達は早々に帰り支度していて、メンディーくんは今日バスケするって行ってしまったし。雨なのにかわいそ。




龍友くんは自習室で勉強(勉強という名の雑誌を漁り)に行ってるし涼太くんも帰る準備を始めた。




……あいつ、傘持ってんのかな。って、なんで俺があいつの事考えてんねん。おかしいやろ。





片寄｢…裕太くん、｣


中務｢うん？｣


片寄｢俺傘2個あるから貸すよ｣


中務｢……は？｣


片寄｢Aって置き傘とかそういう女子力皆無だからなぁー、びしょ濡れで帰ってもすぐ風邪引くんだよなぁ。

って事で、じゃあねー！｣





いやいや、そんだけ言うならあんたがあの女を送ってやればええやんか。なんで俺がわざわざやらなあかんねん。




はぁー、とため息をついて窓の外を見ればさっきよりも雨脚が強くなったみたいで地面に叩きつけられる雨音が強くなっていた。




手の中にある青色の傘が教室の蛍光灯に光って無駄に訴えてくる。…なんなん。




いや、別にこのまま帰ってもええねんけど何となく。本当に何となく、涼太くんに殺されそうで。




物騒とかじゃなくてガチで。精神的に？心的に？じわじわと殺られそう。




はぁー、と今週何度目か分からないため息をついて重たい腰をよっこらしょと上がらせた。





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