一 週 間 ダ ケ 。 【中務 裕太】

= 1days ページ11

.








佐野｢なになになに、噂の登坂Aじゃん！！｣





噂のってなんですかって聞きたかったけど近くにお兄ちゃん(本物)がいたから何も言えなくてさっさと裕太くんの腕に自分の腕を絡ませた。





『帰りましょう！裕太くん！大好きです！』


中務｢……だるい、離して｣


『どこか寄って帰ります？』


中務｢会話が通じないんか｣





やばいです。今日何回目のやばい出たんだろう、とりあえずやばいのオンパレードです。




大好きなナカツカユウタの腕に私、触っちゃってますよ！！！！





片寄｢ねぇ、｣





そのお兄ちゃんの声にピタリと足を止めた私と、少し歩いた裕太くん。








片寄｢ねぇ、Aちゃん、携帯貸して。｣








あぁ、バレました。この目は。




“何も言われたくないのならすぐに携帯を出せ。”そう言われていて素直に自分の携帯を渡せばあっという間にLINEは交換された。





片寄｢……じゃあね、登坂ちゃん。｣





怒ってらっしゃる。




親権なんて言うものがこの世の中にあって私は親が離婚してからというものお父さんには会ってないし、お兄ちゃんにも会えていなかった。




お兄ちゃん大好きだった私は中学生にもなってお兄ちゃんなんて叫んでビービー泣いていた。




だからか、お母さんはすぐに再婚して新しいお兄ちゃんができた。




そのお兄ちゃんこそが登坂広臣だ。




決してお兄ちゃんなんて呼べなくて広臣なんて呼んでる私に広臣は可愛げ無いって言うけど、結構可愛がられてると思う。




本当のお兄ちゃんがいるからって言ったら“じゃあいつかまた会えるといいな”って言ってくれたのが懐かしい。




そんな広臣とは今ものすごく仲良いし、お兄ちゃんとまた再会するなんて思ってもいなかった。




するとならば大人になってから。そう思ってたからね。うん。まぁびっくりだよ。




…だって…まさか、こんな形で会うだなんて。





中務｢なぁ、｣


『っ、はい！！！』





あ、ダメだ。今の返事の仕方可愛さの微塵もなかった。あーー失敗。でも呆れたような顔するナカツカユウタもイケメン。好き。




.

= 1days→←= 1days

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す