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警察官のたまご16 ページ15

私には、家族がいない
私が小さい頃だ

「Aー!ただいま!」

「あ、おにいちゃん!おかえり!
ままー、おにいちゃん帰ってきたよー」

私とお兄ちゃんは、かなり年齢に差はあったけどとても仲が良かった
大好きなお兄ちゃん
もちろん、父さんも母さんもいつも側にいてくれた
家族が大好きだった

でもそんな日常は、一気に消え失せた

わたしの誕生日の日
家族みんなで、お祝いしてくれることになり、レストランに連れていってくれた

「ハッピーバースデーA」

目の前のバースデーケーキのろうそくの火をふうと消したときだ
レストランの扉が開き、数人の男たちが入ってきて、銃を乱射し始めた
家族が慌てて、私を抱きしめた

ちらりと周りを見れば赤に染まっていた

怖くて怖くて、抱きしめてくれる兄にしがみついた
何度も「大丈夫、側にいるから」と宥めてくれた
そんな兄を母さんと父さんが抱きしめていた
その隙間から、男の声が聞こえてきた

「お前は、お前たちは絶対許さない」とただ一言だけ

それから私は兄にテーブルの下へと押し込まれ、テーブルがうまく倒れてシーツに丸まった
それで私だけが生き残ってしまった

私の家族だけじゃない、他の人たちもみんな死んでしまった

奇跡の子と言われたが、奇跡なんかじゃない
兄さんが助けてくれたんだ
私もあの中で死ぬはずだったのに、生き残ってしまった
罪悪感、喪失感それだけが残った

男の声には聞き覚えがあった
兄が親友なんだと何度も口にしていた彼
私にも優しくしてくれた兄さんの友だち
そんな彼が犯人となったが、その集団は行方不明
彼もどこにいるか分かっていない

私は絶対許さない
兄さんを、父さん、母さんを
その場にいた人たちを殺害した
犯人を全員、捕まえるまでは私は死なない


そう、心に決めた

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ゆきはな(プロフ) - 天野陽菜さん» はじめまして。コメントありがとうございます。楽しんで頂けてよかったです。頑張って更新していくので宜しくお願い致します。 (2021年12月25日 18時) (レス) id: a08fb6267c (このIDを非表示/違反報告)
ゆきはな(プロフ) - tさん» 教えて頂きありがとうございます。公開した際には外していたのですが、何かがきっかけでついてしまってようです。気づいていなかったのでとても助かりました。ありがとうございます。 (2021年12月25日 18時) (レス) id: a08fb6267c (このIDを非表示/違反報告)
天野陽菜 - 面白くてハマりました!更新頑張って下さい!楽しみに待ってます! (2020年6月19日 22時) (レス) id: 70e2d8bd25 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきはな(プロフ) - 匿名さん» 教えて頂きありがとうございます。直しましたので確認を宜しくお願いします。 (2019年2月4日 22時) (レス) id: d59b5b05f2 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 萩原研二の名前漢字が違います。 (2019年2月4日 0時) (レス) id: ffeb652265 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきはな | 作成日時:2019年1月15日 8時

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