校内散歩 ページ8
「Aさん！」
「えっ？」
振り返ると､満面の笑みのチャニョル君がいた｡
「Aさん､おはようございます！」
「おはようチャニョル君｡早朝からどうしたの？」
「しあ先輩に頼まれて…｡」
「しあちゃんに？」
「はい｡“私がいないと､ダメな子だから､代わりにお願い”って｡」
「何それ！失礼しちゃう！」
「…すみません。」
「ちっ､違う！しあちゃんの事！」
「あっ！Aさん､今から何か用ありますか？」
「今から？何もないけど？」
「あの“校内散歩”行きませんか？…ダメ､ですか？」
まるで､仔犬のような可愛い顔で…。(体は大型犬だけど｡←)
「…ダメ｡」
「えっ…｡」
(あっ！シュン…とした｡)
「嘘！嘘よ！むしろ､嬉しい…です｡」//////｡
「なっ…！Aさん､ひっでぇ〜！後輩いじめるなんて…｡」
泣き真似をするチャニョル君｡
あはは！ ふたりで笑った｡
あ､私笑ってる｡さっきまでちょっと､悲しかったのに｡
(チャニョル君の笑顔…ハッピーウィルスの威力ってすごい！)←
すると､私の前に手をだしたチャニョル君｡
「？」
「あー､もうっ！Aさん､手！手を出して下さい！」
「あっ､はいっ｡」
思わず､勢いで手をだすと､
「では､行きましょう！」
と､その手が繋がれた｡
触れる手が熱を帯びる｡
ほとんど､誰もいない校舎内や､朝練をしてる生徒達を横目に､校庭･中庭と歩いた｡
チャニョル君が､“ベッキョンは､しあ先輩が､好きなんだと思う”って言うから､
私も“しあちゃんも､ベッキョン君が好きだと思うよ”って言うと､
「じゃあ､俺たち､ベッキョンとしあ先輩の“恋のキューピッド”になりましょう！」
「“キューピッド”なら､私が頼りたい…｡」
「俺…Aさんの“キューピッド”には､なれませんから｡」
って､真顔で｡あれ？怒ってる？
チャニョル君って､綺麗な顔してるから､真顔で言われると萎縮しちゃう｡
すると､ニヤッって笑ったチャニョル君｡
「先に､俺のこと頼むから！…あはは！」
「何それ！普通､年齢順じゃないの？」
「そんなの関係ありませーん！」
私たちは､たくさん笑って…
その間も…ずっと､
この手は繋がれたままで｡
そして､
私の心臓が､壊れたみたいに…ドキドキと煩く騒いだ…｡
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作者名：HappySwan | 作成日時：2013年4月25日 9時
