■ ８３ ■ ページ6
警報が解除された後も、いつもより忙しいまま閉店時間を迎えて。
日が傾きかけた頃に、ニノと潤くんが帰って来た。
「あ、いらっしゃい」
正面カウンターで片付けをしてた私が声を掛けたら、潤くんが「おー」って手を上げてそのまま中へ入って行く。
潤「怪我人なし」
翔「…そう。お疲れ」
和「喉乾いた。おじさんアイスティー」
智「ん」
いつもよりもトーンの低いみんなの声に、なんとなく中に入りづらくて。
私はそのまま仕込みを始めた。
・
・
「あれ、大ちゃんは？裏？」
仕込みを終えてカウンターに戻ったら、大ちゃんの姿が無くて。
私の問いかけに、4人が一瞬黙って顔を見合わせる。
和「出掛けた」
「え？」
和「店閉め、任せるって」
「うん。それはいいけど…」
そう言ったきり、みんなそれ以上なにも言わなくて。
なんとなく訪れる、気まずい沈黙。
雅「もういいんじゃないかなぁ…」
雅紀くんが、誰に言うともなく呟いた。
雅「Aちゃんは、もういいと思うんだ」
「「「…………」」」
雅「だって。…大ちゃん、笑うようになったもん。あんなに笑うようになったの、Aちゃんが来てからだよ」
翔「そう、だよなぁ…」
潤「うん…」
翔「智くんがはしゃいでる姿とか、もう思い出せないくらいだったしね」
雅「Aちゃんと凛ちゃんのことも…あんなに誰かのこと心配したり、なんか言ってあげたり、そんなのなかったじゃん」
潤「俺ら以外の人と関わるの、異常に避けてたもんね」
みんなが、話しながら大ちゃんの姿を思い浮かべるように優しい顔になって。
私にはみんなの言っている意味がわからないけど、最初にＨＡＮＡＢＩに来た時の大ちゃんを思い出してた。
アルバイトなんていらないって、言い張ったあの拗ねたような表情。
大ちゃんは、私が来るまでずっとあんな風だったんだろうか。
雅「だから、もういいじゃ…」
和「それでも」
ずっと黙ってたニノが、急に雅紀くんの言葉を遮った。
和「それでも、俺たちの口から話すのは違うでしょ」
翔「ニノ…」
みんなの顔が、また暗くなって視線が宙を彷徨う。
和「Aん家の脇道をずっと上ったとこにある、海風霊園」
「え？」
和「そこにいるから……行ってきな」
病院からの帰り道、私に大ちゃんを信じてって言った時と同じ目で、ニノが呟いた。
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あげは(プロフ) - 詩雨さん» あそこでキスはせずに帰る大ちゃんが、私的萌えポインツです(/ω＼*)(あ…また妄想が…笑)。きゅんきゅん成分低めの今作ですが、そう言ってもらえて嬉しいです!! 最終章も、よろしくお願いしまっす(*´∇｀*) (2015年6月11日 0時) (
レス) id: a189ab2091 (このIDを非表示/違反報告)
詩雨(プロフ) - きゃー！大ちゃんがぎゅって！また！もうイヤホン仲間の先輩は分かってますね！どこでキュンってするかを\(//∇//)\遂に完結の兆しが見えてきましたね！残りも頑張ってください☆★ (2015年6月10日 18時) (レス) id: d5cdb54bec (このIDを非表示/違反報告)
あげは(プロフ) - ぽにょかさん» ぽにょかさん、コメントありがとうございます!! あぁぁぁ…モヤモヤさせてしまってごめんなさい(涙)。そうなんです。いつ言おう、いつ言おうって、私は凛ですか並みに悩んでいました(--;) ニノとみんなのこれからを、どうぞ見守ってやってください(*´∇｀*) (2015年6月10日 8時) (レス) id: a189ab2091 (このIDを非表示/違反報告)
ぽにょか(プロフ) - 今日の更新で凜ちゃんに対するモヤモヤがやっと取れました。主人公ちゃんが許してるのに、何故か主人公ちゃんの辛い出来事が曖昧になってた気がして心苦しかったのです。智君も翔君も良かったです。これからも楽しみにしてます。ニノちゃんは失恋したままなのかな？ (2015年6月9日 23時) (携帯から) (レス) id: 0bab093355 (このIDを非表示/違反報告)
あげは(プロフ) - 詩雨さん» ふふ…イヤホン妄想仲間なこと、忘れてません(￣▽￣)b 次章、真っ裸の５人にご期待下さい!!(いやR18じゃな…ry) (笑)。本当にいつもありがとうです(*´∇｀*)LOVE (2015年6月9日 20時) (レス) id: a189ab2091 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あげは
| 作成日時：2015年6月1日 23時
