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「あ、いた、ぶるっく!」

「あれ、きんときになかむ〜。僕のこと探してたの?」


ぶるっくが私に気づかないのは、単純に見えていないから?



それとも。




「あ、きんとき、なかむ、と、朝井」

「…シャケ、なんかあったの?」


ぶるっくの後ろから現れたシャークんは、少し困惑したような顔をしていた。なかむくんがそう尋ねると、小さく頷く。



「ぶるっくが、変なんだ。まるで、」


シャークんはそこまで言って口を噤み、こちちらを見た。それは、言うのを躊躇っているかのようで。

きんときくんも、不安そうにこちらを向いた。私は、静かに頷く。別に、確信がある訳じゃないけど。


だって、そういうことでしょ?




それを見たシャークんは、小さく口を開いた。




「…朝井のこと、忘れてる、みたいな」

わかってた、わかってたけど。
ぎゅっと唇を噛む。






「ねぇ、その朝井って誰のこと?みんなの知り合い?」





追い打ちをかけるように、ぶるっくの声が私の耳に届いた。



「…ぶるっく、こっち行こう」

「え、食堂は〜?」

「今日はカフェ!」

「え〜」

「奢るから!」

なかむくんがそう言いながら、ぶるっくを引っ張っていく。



「あれ、お前らどこ行くの?」

後ろからかかった声に振り向くと、きりやんとスマイルくんが立っていた。


「…昨日と同じだよ」



私がそうとだけ呟くと、それできりやんは察したのか、顔が一気に険しくなり、わかった、と一言だけ零す。
その後ろでスマイルくんは釈然としない顔をしていた。

▽→←11/23(火)



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作者名:空羽 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年5月23日 1時

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