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「あ、いた、ぶるっく!」
「あれ、きんときになかむ〜。僕のこと探してたの?」
ぶるっくが私に気づかないのは、単純に見えていないから?
それとも。
「あ、きんとき、なかむ、と、朝井」
「…シャケ、なんかあったの?」
ぶるっくの後ろから現れたシャークんは、少し困惑したような顔をしていた。なかむくんがそう尋ねると、小さく頷く。
「ぶるっくが、変なんだ。まるで、」
シャークんはそこまで言って口を噤み、こちちらを見た。それは、言うのを躊躇っているかのようで。
きんときくんも、不安そうにこちらを向いた。私は、静かに頷く。別に、確信がある訳じゃないけど。
だって、そういうことでしょ?
それを見たシャークんは、小さく口を開いた。
「…朝井のこと、忘れてる、みたいな」
わかってた、わかってたけど。
ぎゅっと唇を噛む。
「ねぇ、その朝井って誰のこと?みんなの知り合い?」
追い打ちをかけるように、ぶるっくの声が私の耳に届いた。
「…ぶるっく、こっち行こう」
「え、食堂は〜?」
「今日はカフェ!」
「え〜」
「奢るから!」
なかむくんがそう言いながら、ぶるっくを引っ張っていく。
「あれ、お前らどこ行くの?」
後ろからかかった声に振り向くと、きりやんとスマイルくんが立っていた。
「…昨日と同じだよ」
私がそうとだけ呟くと、それできりやんは察したのか、顔が一気に険しくなり、わかった、と一言だけ零す。
その後ろでスマイルくんは釈然としない顔をしていた。
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