Be mine …

F o u r t y. O n e. ページ46

まだ春だというのに、夜風が冷える。
でもそれが心地よくもあった。




その心地良さに紛れるようにして、


私は罪へと歩く


「隆弘」




ビルの壁にもたれかかって携帯をいじっている

明らかに違うオーラを放っている隆弘は、すぐ分かってしまう



西「…ふーん。


やっぱ来るんだね？


とりあえず、ご飯でも行こうか」




歩いて10分くらいの店へ向かう事になって

それとなく、他愛のない会話をして、

いつもと同じように笑い合う



少し、だけ



いいなー、なんて想ってしまう自分がいて、



匂わせるような質問をしてしまった






「…隆弘はさ、彼女とかいないの？」


西「いないよ。いたこともないし。」


「でも、告白とか、たくさんされたでしょ？」

西「まぁ、そりゃあね。それなりに。でも、好きだって思える人はいなかったよ。」


「うそ！あんなに慣れたみたいにキスしてきたじゃん！」


西「んははは(笑)…俺だって戸惑ってんの。好きになんの初めてだし。





…こんなに夢中になるつもりもなかったしな。」


「…」



西「あれ？黙っちゃった？かわいーやつだなこんにゃろ。」


ﾜｼﾜｼ


「わしわしすんなしー！」


西「あーもう、お前笑うな。」


いきなりにっしーが私の顔を隠した。



「なにすんだ、隆弘この野郎！」





西「そんな顔すっから惚れんだよ、


悔しいけど堕ちてくのがわかるくらい、







…可愛いから。」








たかは、悔しいくらい私の顔を赤くする。



しんちゃんが好きで、しんちゃんを愛してるはずなのに。



狂おしいくらいに、その言葉を求めてしまう。





「…ばか…







欲しくなっちゃうじゃん…」ﾎﾞｿ




西「んー？なんか言った？A」


「…ううん、なんでもなーい。」


西「そ？」





少し見つめてから、また目線を前に戻す







ふと、歩いている隣にいる隆弘の姿を見た。


自分より背が高くて、綺麗な横顔で。

お気に入りだって言ってた眼鏡がよく似合ってて、

ボアのついたジージャンに、黒いニット帽。

撮影でパーマのかかっていた髪は、ストレートに戻っている。




悔しいんだけど、本当にかっこよくて。




私を好きなんだとおもうと、胸が苦しくなる。




西「あ、着いた


ここ！前リーダーが美味しいって言ってた」


「へー、うまそう」





西「…ねえA







今日は2人だね？」ﾆﾔ





ほら、また


その言葉


どうして、私の心をこんなにも揺らすの？

F o u r t y. T w o. N i s s y.→←F o u r t y.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す