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T h i r t y. F i v e. ページ40

私は、真司郎に、過去の全てを話した






小さい頃から嫌なほど愛されたこと




その感覚は、“堕ちる”に変わっていったこと




海外で暮らした時のアパートの隣人と恋に堕ちたこと




ハジメテを全て捧げたこと




愛していたこと




して離れてしまうのが怖かったこと



行為を拒んだ翌日、彼が手紙を残して去ったこと


忘れようとしても駄目だったこと




そんな時真司郎が現れたこと



気付かないうちに真司郎に堕ちていったこと




でももう本気で愛すことが出来なくなっていたこと




真司郎は、ただ黙って聞いてくれた

たまに、「おん」と返事をしながら頭を撫でて

途切れそうな感覚を支えてくれた






揺さぶられていた心は、ゆっくりと溶かされて行く





與「…話してくれてありがとうな。



A…




辛かったな。」






優しく横に座る私を、自分に引き寄せた





この優しさに、また少し和らぐ感覚。





それでも




《 もう少し、僕の腕の中にいて… 》





忘れるな、と言うようにまた頭の中でその台詞が響く







與「…もう忘れろなんて言わんよ




それでも、今まで側にいさせてくれたやん







俺だって、その人に負けんくらい、



愛しとるもん




でも、お願い、思っている事があるなら言うてくれへんかな


まだ、お前の気持ち聞いてへんよ」




ほら、また見透かすようにして私を見つめる





もう、現実から逃げる事は出来ないんだと




でも私には、ちゃんと言葉を並べて話す余裕などなくて




「、あの匂いが、あの声が





頭から離れないの



あの人の、剛くんの感覚が



この身体は意識を手放してくれないの…っ」




真司郎は、少しだけ黙って





自分の言ったことをようやく理解する



こんなの、傷つけるだけじゃん



「し、しんちゃんごめ…わっ」





真司郎に押し倒される




その瞬間フローリングの冷たい感覚が背中に伝う






與「じゃあ、もう俺の味忘れたん?」





そう言って私の頰に触れる




そして唇に優しく、触れる









その行動に、何も喋れなくなる




息も止まりそうなくらい



真司郎の体温が、私の体温と重なる




真司郎の匂いに包まれる





真司郎しか見えなくなる





與「綺麗やね、Aは」




そう言って私の髪をかきあげて微笑む


出逢った頃から変わらないその瞳





與『 綺 麗 す ぎ る く ら い 綺 麗 や 』






その台詞に、私はハッとした

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サ エ ク ン ! !(プロフ) - のぞみさん» こちらこそありがとうございます!! (2018年1月19日 22時) (レス) id: bc77d3c9ee (このIDを非表示/違反報告)
のぞみ - こんばんわ。夜も更新ぁりがとぅございます。たのしみに待ってました。 (2018年1月19日 22時) (レス) id: 452fc965d0 (このIDを非表示/違反報告)
サ エ ク ン ! !(プロフ) - のぞみさん» ありがとうございます!いいえー!コメントうれしいです (2018年1月19日 17時) (レス) id: bc77d3c9ee (このIDを非表示/違反報告)
のぞみ - ぉはょぅございます。朝から更新ぁりがとぅございます。先走りしてしまってすいません。毎日読むのがたのしみで更新されてるとめっちゃ嬉しいです (2018年1月19日 8時) (レス) id: 452fc965d0 (このIDを非表示/違反報告)
サ エ ク ン ! !(プロフ) - のぞみさん» 話が進んでいくうちにやるのでおまちを~! (2018年1月19日 6時) (レス) id: 635f9312fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サ エ ク ン ! ! | 作成日時:2018年1月10日 0時

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