６２：私の決意を ページ12
.
MN『 誰だって嫌だし、怖いだろ、好きな人のそばにいられないなんて 』
「 …ミョンホ… 」
MN『 …Aが怖気付く理由もわからないでもないから……だから別に俺、責めてるわけじゃないんだ 』
「 …うん… 」
ミョンホには、お見通しだったんだ。私の気持ちも、考えも、…何に怯えているかということも。
それがわかった以上、ミョンホの言葉が、先ほどよりも温もりを持って私の元へ届いているような気がした。
MN『 …だから俺、Aの考えに反対はしない。ちょっとキツイこと言っちゃったのは…お前がそれでほんとに苦しまないか、心配なんだよ、それだけが 』
目が合うと、ミョンホの眉毛が下げられる。彼はほんとに私のことを心配してくれているんだというのが伝わってきて、胸がぎゅっとした。だけど、苦しいものじゃない。その逆で、嬉しかった。彼は私が思っている以上に、私のことを考えてくれているらしい。
「 ……気持ちを伝えなければ、先輩のそばにいられる。それは嬉しいことだよ？だって私は、先輩のこと、好きなんだもん 」
MN『 …うん 』
ミョンホの心配を掻き消せるとは思っていない。だけど彼の心配を無駄にさせない為にも、私の考えを、しっかり伝えたいと思った。
「 …だけど多分、それは嬉しいのと同時に、すっごく悲しいことでもあると思うの。そばにいるってことは…その分、先輩が好きな人を想う瞬間を、何度も目にしてしまうってことでしょ。…しかも、近くで 」
MN『 ……俺は、それが心配なんだよ 』
「 …うん、わかってる。…先輩のことが好きな以上、きっと私はこれから、苦しむだろうし寂しい思いもすると思う。……だけど… 」
言葉を切って、ミョンホの目を見る。彼の視線に負けないように…と思ったけれど、私も同じぐらいの真っ直ぐな視線を、持てているだろうか。
「 これが、私の決めたことだから。先輩のことが好きっていう気持ちを、捨てたくない。方法とか、何もかもが間違ってようと…先輩を好きって気持ちを持ててれば……それで、良いの 」
ミョンホは、何も言わなかった。だけど、言葉を探している様子でもなかった。ただただ私の目を見つめ返していた。
だけど軈て、ミョンホは私から目を逸らすと、ため息を吐きながら小さく頭を横に振った。まるで 降参だ とでも、言っているかのようだった。
MN『 ……わかったよ 』
再び顔を上げたミョンホと目が合う。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 417人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アオコ(プロフ) - ハローさん» お返事遅くなってしまいほんとうに申し訳ないです…！コメントありがとうございます！これからもよろしくお願い致します…！！！！ (2020年11月21日 1時) (
レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
ハロー - 続き楽しみにしてます (2020年11月14日 22時) (レス) id: 5db7b589d2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アオコ | 作成日時：2020年10月18日 18時
