男装生活とその日常について３ (ページ36)

今日:17 hit、昨日:92 hit、合計:702,279 hit

４ページ36

.

HS「実はオレ、深夜に食べても平気なレシピを見つけたんだよな」

VN「いいね」

＿「そっかそっか、良かったね」

HS「材料も買ってある」

VN「……ああ～、あの肉ってホシヒョンのなんだ。変なマークが入ってたからヤバいやつなのかと思ってた」

HS「虎の絵だけど？」

VN「ウソ……」

＿「すごいじゃん、自炊しようと思うなんてホシも成長したね」

ホシヒョンが目をパチパチとわざとらしく瞬かせる。

次に言われる言葉を察したらしいAが「オレは寝るから」と言うけど、ヒョンが「またまた～」とAの肩に手を置いて、機嫌伺うようにポンポンと叩いた。

HS「肉の賞味期限が今日までなんだよな」

＿「作ってきなよ。今日が終わるまであと少しあるよ」

HS「頼む……っていうか最初からお前に頼むつもりだったし？」

＿「なんで」

HS「いやあ、Aからこっちに来てくれて助かった。お前の顔見たら肉の存在を思い出したんだよな～！ついでに成仏させてやってくれないか？」

＿「なんだその強引なまとめ方は」

VN「お腹空いた」

＿「おっ、いいな。よしバノニ、もう一回言ってみろ」

VN「A、お腹空いた」

感情でも無くなってしまったかのような顔つきでAがオレ達を見る。

あと一歩だ。

ホシヒョンもそう思ったのかオレに大きく頷いた。

HS「お前が他の奴らに遠慮して飯を振る舞わないのはオレも重々承知だけど、」

＿「いや、遠慮って言うか……ホシみたいなのが出てくるとキリが無いからで……」

HS「でもオレはお前の作った飯が食べたい」

＿「はあ、」

VN「オレも久しぶりにAの飯が食べたい」

＿「……いや、ハンソラこないだ体調崩したとき作ってあげたでしょ」

HS「なに……？」

VN「あっ、そうだった」

そう言えば、つい最近Aが作りにきてくれたんだった。

人間、与える方は覚えていても、与えられる方は簡単に忘れるんだとよく耳にする。

その通りだ。うっかりうっかり。

.