ホシと年末の歌謡祭 ページ13
・ホシ視点
年末最後のスケジュールだった歌謡祭のステージも終わり、あとはアイドルや歌手を眺めてほどほどに騒ぐだけ。
最後に集合してステージに上がるまで、だいたいあと一時間。
う、うーん……長いな……
ステージ衣装から着替えて自分たちの席へ戻る途中、少し先の方でガールズグループの何人かが立ったり座ったり、何か話し合いながら揉めているのが見えた。
額から流れてくる汗を拭いながら眺めていると、少し先を歩いていたAがその女の子たちの前で立ち止まり、おもむろに着ていたジャケットを脱いだ。
Aの隣を歩いていたスングァナが「あらあら、まあまあ」とでも言いたげな顔をして、口元に手を当てながら、Aと女の子を交互に見ている。
HS「なになに？」
DK「Aヒョン……とうとう女の子に興味が？」
HS「それだったらオレはここで笑い死ぬと思う」
DK「じゃあ飲み物が掛かったとか」
HS「ありえる」
ソクミナと小走りで前へ向かうと、女の子を椅子に座らせたAが、脱いだジャケットをその子の膝へ掛ける。
驚いた顔のままの女の子が言葉を詰まらせていると、Aが控えめに余所行きの笑顔を作ってみせた。
「まだ五分も着てないので綺麗ですよ」
「いや、でも、」
「ブランケットを貰えたら、そこらへんに放っておいてくれて構いませんから」
「あの、」
「すみません。道を塞いでいたら後ろの人に怒られるので」
そう言ってオレの事を指で差さして微笑んだ。
「じゃあ」と涼しい顔をしたAが頭を下げて歩き出すと、反論すらさせてもらえなかった女の子が、膝に掛けられたAの黒いジャケットを見つめてきゅっと握り締めるのが見えた。
白いシャツとネクタイだけになったAに追いついて、肩に腕を回す。
HS「オレ、別に怒ってないけど？」
DK「Aヒョンめずらしいね、女の子に声かけるの」
＿「だってあからさまに困ってる感を出してくるから……」
SG「ファンの子達が今頃呟いてると思いますよ。『Aが苦手なはずのヨジャにジャケットを渡した！』って！」
__「多方面から怒られそう」
HS「うーん……」
＿「まあ安全圏のオレでよかったじゃん。オレがやらなきゃ誰かがやってただろうし」
Aが指定された席に座りながら「ミンギュやウォヌなら、あの子は恋に落ちてたでしょ」と小さく呟く。
いや、お前を見るあの子は、もう既に恋に落ちた顔をしていたけど……
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せの(プロフ) - あゆさん» ありがとうございます！ (2019年5月29日 9時) (
レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ - 初めまして。男装モノ大好きです。シリアスも好きです。(要らない情報) (2019年5月28日 17時) (レス) id: 0c6540a428 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - 冴木薫さん» ありがとうございます！多分直りました (2019年5月15日 16時) (レス) id: 3e57787c43 (このIDを非表示/違反報告)
冴木薫(プロフ) - 初めまして！とても楽しく読ませていただいてます！ 読んでて少し気になったのですが、たぶん名前変換のところがたびたび_になってます… もしかしたらあたしだけかもしれないですが、もしお時間があれば確認していただけませんか？ これからも執筆活動応援しています！ (2019年5月15日 14時) (レス) id: 3ed73169f6 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - 殺し愛さん» ありがとうございます！ (2019年5月3日 20時) (レス) id: 73addbec04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2019年4月24日 23時
