《完結》 Maison de tempete 【ars】 (ページ38)

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『もしかしたら、この前みたいに、誰かに助けてもらうことになるかもしれませんし...』

「そうだよな...」

弱い自分が情けなくて、

だけどどうしようもなくて、

もどかしい気持ちを持て余す。

「正直、あの人たちにはあんまり関わらせたくないよ。」

『、』

「A可愛いし、あいつらもイケメンで、見てたら嫉妬するし」

『ふぇ？』

「ほんとはさ、全部Aの言う通りなんだよね。分かってもらうようにしなきゃいけなかった。」

俺さ、

翔さんが話してくれたのは、前付き合っていた女の人、所謂元カノの事。

美人さんで性格もよくて評判で、告白されて付き合ってみたら、

「言えないようなことばっかしてる子だった」

『...例え、ば？』

「んー(苦笑)水商売で稼いだり、」

『...キャバクラとかですよね？』

「あー...、誤魔化してもしょうがないから言うけど、自分の体を売る的なね。発覚した時に、親の借金が、って言ってたんだけど、着てるものも結構お金かけてたの知ってたからさ...挙句、返済のお金を貸してほしいって言われて...詐欺じゃん？マジ散々だったよ。ぎりぎりまで別れる決心ができなかったし、そのあとも長引いて...、」

『...』

「だからさ、ニノたちが心配するのも分かんだけどね」

『翔、さん...』

かっこわり、ってつぶやいたから、

頭を横に振ったら、

「フハ、かわい、ちょっと顔赤いじゃん」

『うそ...』

「一応言っとくけど大丈夫だよ？...ビョーキは検査したし」

『！？』

「あーもう」

ぎゅーって抱きしめられる。

「勘違いされそうだから言っとくけど、そういうことが絶対にないからAと付き合ったわけではないからね？」

『...分かってます、』

「まぁ、分かってなくても分かってもらうし」←意味深

涙止まった、って翔さんが笑って、

目じりにキスを落とす。

『ふふ、』

「じゃ、早いとこ行きますか」

手を取り合って、翔さんと、4人のいるお部屋に向かう。

インターフォンを押して、

扉が開くのを待った。