フィールドワークinターフタウン�� ページ9
結局、温泉についても調べたが、新しい情報は得られなかった。
「ちぇー。少なくとも、いつからポケモン専用温泉になったかくらいは知りたかったなぁ」
「ねー。長老に聞いて分からなかったんだから仕方ないけども」
車で移動しながら、二人で肩を落とす。
こうして自分の足で情報を集めて、考察をして、車の中で共有しあって。
ゴウには、今回の調査のすべてが新鮮で、ガラルが危機に迫っている中で、楽しいと言うのは不謹慎だが、胸が躍るものがあった。
「ここがターフタウンよ」
ターフタウンに到着すると、Aは地上絵のある場所へと案内した。
「見て。ゴウ君」
「おおお。これが、ターフタウンの地上絵か」
スタジアム三つ分は裕に超えるであろう広大な敷地に、大きく描かれた地上絵。
余りのスケールの大きさに、ゴウも感動を隠せない様子だ。
絵の左半分には渦のようなものが描かれており、右半分は大きな怪物のようなものの下で人々が逃げまどっている様子が描かれている。
「絵の左上にある渦巻がブラックナイトを表していると言われているの。ブラックナイトの時は黒い渦が空を覆うのだとか...」
「黒い、渦...。」
ゴウは、顎に手を当て考え込む素振りを見せた。
しばらくした後、ゆっくりと口を開く。
「Aさん、俺も同じような黒い渦を見たことがあるんです。その時はそこから、ルギアが現れて...。もしかしたら、この黒い渦、伝説のポケモンかもしれないな。なんて」
「黒い渦が伝説のポケモン！？」
Aは、食い気味に言葉を挟む。
予想外のゴウの意見に目がまん丸だ。
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作者名：suzu | 作成日時：2021年1月2日 19時
